アジサイ
―土壌の酸度で花色が変わる―
4月23日掲載  
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 西洋アジサイの鉢植えが出回るころである。アジサイのルーツは日本である。わが国の山野に多く自生しているガクアジサイが、ヨーロッパで鉢物用に改良され、里帰りしたのが西洋アジサイ(ハイドランジアとも呼ぶ)である。ガクアジサイは額縁のように周縁部に装飾花があるのでこの名がある。清楚な感じと涼しさを感じる花容が好まれ、これも鉢花として出回っている。

 ガクアジサイは、学名をハイドランジア・オタクサ(Hydrangea otakusa)というが、このオタクサは、命名者のシーボルトが日本の愛妾「おたきさん」の名をとってつけたもので、もちろん彼はこの植物をヨーロッパに持ち帰っている。

 ころで、釈迦の誕生を祝う4月8日の花祭り(潅仏会=かんぶつえ)に欠かせないアマチャ(甘茶)もアジサイの仲間である。アマチャの葉や樹皮を蒸して、煎じると甘味あるので、古くから飲料とされてきたが、最近の子供はほとんど知らないのではなかろうか。

 アジサイのことを「七変化」ということがある。わが国の在来種が、つぼみのころから咲き終わるまでに、淡緑色から白、藍、淡紅色と変わるのでこの名がある。しかし、いささか大げさな表現で、実際は藍色の期間がもっとも長く、そして美しい。在来種にもベニガクのように紅赤色の花もあるが、花色の豊かさは西洋アジサイが一枚上だ。淡藍、青、淡紅、紅、白などの品種があり、多彩だ。

 鉢植えの西洋アジサイは地植えすると、翌年に違った色の花が咲いて驚くことがある。実は土壌の条件によって花色が変化する性質があるのだ。酸性の土壌では青色に、中性やアルカリ性の土壌では赤色になる。本来は品種によって赤や青があるのだが、赤色の品種はアルカリ性土壌で作った時に最も美しい赤色になる。そして、酸性土壌で作ると青色になったり、青と赤の混じったきたない色となる。わが国は酸性土壌が多いので 赤色品種を庭に植えると 翌年に驚くことが多いのである。
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