枝変わり
―楽しみな新品種作り―
10月15日号掲載
index 「日陰の植物」へ 「組織培養」へ
スプレーカーネーション
 植物を栽培していると、時に、一枝だけ変わった色の花が咲いたり、葉に斑が入ったりするのを見つけることがある。このように植物の体の一部で変異が起こることを、芽条変異(がじょうへんい)とか枝変わりという。

 枝変わりした部分を挿し木などで増殖して新品種に認められたものは非常に多い。カーネーションのウイリアムシムという品種は、枝変わりで250以上の新品種を生み出している。バラキク、ツツジ、ツバキチューリップなども、枝変わりで選抜された新品種がたくさんある。

 ところで、枝変わりには2種類あって、染色体に異常が起こって、花弁、葉、茎などの形や大きさに変異をきたす場合と、主として、葉などに斑入りを起こす細胞質の変異による場合とがある。その区別はともかくとして、変異に観賞価値があるなら、たとえ奇形であってもよいわけだ。たとえば、茎が偏平になる帯化(たいか、石化ともいう)といわれるものがある。ヤ ナギ、エニシダケイトウなどは帯化したものが実用的な品種として出回っている。チューリップやユリではこの現象がよく現れる。また、茎がねん曲したヤナギ(雲竜柳)やクワ(降天桑)なども生花に使う。これらはまさに奇形というべきものであろう。むしろ、最も普通にみられる枝変わりは花色の変異や、葉の斑入りである。

 枝変わりは起こそうと思っても起こるものではないが、植物をよく観察していると、小さな変異は意外と多いものだ。たとえ、小さな変異でも見逃さないで、挿し木や取り木をして、増殖してみよう。一度変異が起こった付近からは、また新しい枝変わりが生じることが多い。斑入りや新しい花色の品種を作り出す楽しみはまた格別のものだ。