日陰の植物
―山草類の採集も一法―
6月4日号掲載
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ギボウシ
 「うちの庭は日当たりが悪いので、花が作れない」という人が多い。たしかに、日当たりのよいところを好む花は多いが、日陰を好む植物も意外と多いのである。やはり、適地適作が大切で、日陰の庭には日陰を好む植物を選ばねばならない。家の周りにはどうしても日陰が出来るので、これを上手に利用することが、家庭園芸の楽しみを大きくする。

 日本庭園では木陰の下草的な利用に、ギボウシやユキノシタなどがなじみ深い。ギボウシは斑入り種や小葉のもの、花の変わったものなどがあり、品種が多いので、利用法に変化があり、品種を収集する楽しみも多い。

 イワタバコは全くの日陰でも、紫色のかわいい花を咲かせる。シュウカイドウはベゴニアの仲間で、群生して咲く花はなんとも美しい。エビネ、スズムシソウ、スズランなども花を楽しませる。とくにラン科植物のエビネは気品のある花が好まれ、種類や品種が豊富で、コレクションしているマニアも大変に多い。園芸店でもかなりの種類や品種を購入できる。草丈はやや長いが、ホトトギスキブネギク、フシグロセンノウなどは茶花として昔から親しまれ、いずれも木陰を好む。一輪の切り花を部屋に飾るのも趣がある。

 以上はほんの一例にすぎないが、山草類は日陰を好むものが多いので、自生種を採集するのも一法である。宿根草類が多いから、株分けや挿し木で繁殖する。地植えに限らず、鉢植えにしてもよし、庭石の間に植えるのもよい。概して湿り気のあるところを好む。これは排水の悪いところという意味ではない。落ち葉がつもって土になったような保水力のある土がよい。だから、腐葉土やピートモスをたくさん入れてから植え付けるようにしたい。