切り花の水揚げ
―切り口を数秒熱湯に―
12月24日号掲載
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注:最近の切り花は、日持ちを長くするための薬剤(STS剤:チオ硫酸銀)を処理してから出荷されているものが多い。このため、以前よりは日持ちが良くなっている。
 せっかくの美しい花が水揚げしないために、その真価を発揮しないまま、捨て去られることがある。バラやチューリップなどが、買ってきて間もないのに、くたんと花首が垂れてしまったといった経験を持つ方もあるだろう。このような時、あきらめないで、水揚げの方法をいろいろ工夫してみよう。

 植物は葉や茎から、水を蒸散する。切り花では、その水を切り口から吸い上げている。植物の茎には、水の通り道である導管というものがあって、これに細菌や空気が入ると、水が通りにくくなる。そうなれば、蒸散するだけの水を吸水できなくなり、しおれることになる。この状態を「水を下げた」と表現している。

 さて、水揚げの方法であるが、まず、基本は水切りである。水の中で茎を切るのである。こうすれば、切り口から空気が入らないので、順調に水を上げることになる。この他、切り口をたたきつぶしたり、焼いたりするなど、多くの方法が昔から伝えられているが、熱湯に切り口を数秒間つけるのが簡単で、実に効果的である。

 活けておいた花が水を下げた場合でも、あきらめないで、水切りと熱湯処理をすれば、まず回復する。あまりひどくしおれている時は、水を上げるまで、新聞紙を巻いて水にさしておく。蒸散を抑えることと、茎をまっすぐに保つためである。これをしないと、曲がった状態のまま、回復してしまうことがある。バラ、キンギョソウ、チューリップなど、どんな切り花にもこれは応用できる。
 一方、花びんの中の水に細菌が発生すると、切り花の寿命はたいへん短くなる。時々、水を取り替えるようにしたい。また、市販されている水揚げ促進剤を利用するのもよい。