日長反応
―性質を利用し開花を調節―
3月5日号掲載
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注:最近では、周年栽培化が進んで、1年中キクを咲かせようになっているので、8月から4月ごろまでいつでも電照風景が見られる。点灯は普通は深夜に行われる
電照風景
花の半島、渥美の電照風景
 「花に三春の約あり」という。これは花が春に咲くのは、あらかじめ約束したように狂いがなく、植物は四季の変化を正確にとらえているといった意味である。

 植物は四季の変化を日長時間(昼の長さ)と温度の変化でとらえている。日長時間が短くなると開花する植物を短日性植物といって、秋キクアサガオコスモスサルビアポインセチアシャコバサボテンなどがあり、主に秋に開花する。一方、日長時間が長くなると開花するのが長日性植物で、春に咲くストックペチュニアキンギョソウアスターなどがある。

 ところで、この性質は開花時期を調節するのにまことに便利である。有名な電照キクは8月中旬ごろから電気をつけるが、キクは昼の時間が長いと錯覚を起こし、花芽を着けないで生長を続ける。そして10月から11月に電灯を消すと、その時期の日長時間は短いので、すぐに花芽分化して冬の間に花が咲く。要するに開花を抑制しているわけである。渥美半島が不夜城の観を呈するのは9月と10月だけだ(注)。

 植物の日長に対する反応を利用することは、家庭でもできるし、子供の教材実験にもよい。たとえば、鉢植えのアサガオコスモスを夕方5時ごろから朝8時ごろまで大きな段ボール箱にでも入れて、暗くし続けると、花芽はすぐにできて、丈の低い鉢花に仕上げることができる。シャコバサボテンポインセチアの花つきが悪いのは、夜の室内の照明が花芽分化の邪魔をしていることが多い。逆に、9月ごろから昼の時間を短くしてやると開花はかなり早くなる。

 庭園灯や街路灯も花壇の開花に影響することがあるので注意したい。