挿し木
―葉を調整、水を十分に―
6月11日号掲載
index 「庭木の剪定」へ 「取り木」へ
ポットマム
 梅雨が近づくころになると、挿し木のシーズンの到来である。挿し木は必ず親と同じものが得られる。コピーができるわけだ。だから、ちょっと一枝をもらうだけで、いつでも殖やせるよさがある。時には挿し木のむつかしい種類もあるが、ほとんどの植物は挿し木できるので、殖やしたいと思うものを見つけたら、一応試してみればよいだろう。

 挿し木で根が出るのは、植物に、失われた部分をまた作ろうとする再生作用があるからだ。だから、挿し穂は細胞に活力があり、再生作用の強い若々しいものがよいことになる。ところが、根が出るまでの間、挿し穂は養分が吸えないので、消耗する一方である。それで、この間を維持する体力を持っていることも必要である。それで、挿し穂は若々しいながらも、少し充実した感じのところを採るのがよい。たとえばキクの場合、茎を曲げるときれいに折れる先端の部分がよい。手で曲げても折れなかったり、曲がるだけのところはよくない。

 挿し木してからは水を十分に与えることが大切だ。根がないのだから、吸い上げる水の量よりも、蒸散する水の方が多くなりやすい。そうすると萎れることになる。だから、寒冷紗などで日除けをして、蒸散を抑えることと、葉にもときどき水をかけてやることが必要になる。また、蒸散を少なくするためにあらかじめ葉を少なくしたり、葉の大きい植物では葉を小さく切っておくなどの調整も必要だ。
 最近では、「密閉挿し」という簡単な挿し木法がある。挿し木した時にたっぷり水をやって、ビニールでトンネル状に覆って完全に密封し、発根するまで放任してこの状態を続ける。内部の温度が上がらないようにするため、ビニールの上は黒い寒冷紗を2枚ほどかけて暗くする。湿度の高い状態で維持されるので意外と良く発根する。慣れると実に楽な方法だ。