防霜
一内部の蒸れの注意を―
2月18日号掲載
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 冬には古い雨がさを立てたり、ビニールをすっぽり植物にかぶせたり、ほほえましい防寒風景が見られる。もちろん、熱帯原産の植物の場合は、この程度の防寒ではとても冬越しできない。しかし、まったくの露天では無理でも、少し防寒すれば越冬できる植物は意外と多い。例えば、庭木ではミカンの仲間、半耐寒性のヤシ類ソテツ、デイコなど、鉢花ではハイビスカスアザレア等がある。また、露地で越冬は可能でも、秋まきの花壇用草花類は、霜除けをすれば順調な生育をする。

 ところで、ビニールですっぽり包むのは、温度が昼間だけ上がりすぎ、かんじんの夜間は逆にかなり下がり、温度差が大きいだけでなく、内部が蒸れるので好ましい防寒法とはいえない。昔からのわらやこもで北側を覆う方法は、蒸れることもなく、優れた方法である。現在なら、寒冷紗あるいはタマネギなどのネット状の包装袋など、空気の通る材料で覆うのがよいだろう。ビニールなどで覆う場合は、南側を少し開けておくのがよい。

 風が通ると防寒効果がなさそうに思えるが、実際は逆なのである。まったく風を通さない塀の南側より、少しは風の通る生け垣の南側の方が防寒効果は大きい。人工的な防風垣はネット状のものを使っている。少し意味が違うが、茶園やミカン園でファンが上についた鉄柱が並んでいる風景がみられる。これは防霜ファンというものである。霜の降りるのは無風の冷えた日である。こんな日に、ファンを回して空気を動かし、上空の空気を地表に送り、地表の冷えた空気と入れ替えて、霜を防ぐのである。それはともかく、強風は防がねばならないにしても、霜の降りる本当に寒い日は無風の時なのであるから、密閉して完全に大気と遮断する考え方は正しくない。蒸れるような状態だけは避けるようにしたい。