ハナショウブ
―鉢植えでも美しい―
5月14日号掲載
index 「モモ」へ 「日焼け」へ
「花は3月、ショウブは5月」。5月5日は別名「菖蒲(ショウブ)の節句」ともいい、家の軒先に菖蒲を飾り、また香りの良い菖蒲湯に入る習慣があったが、最近はすたれてきたようだ。実はショウブはサトイモ科の植物で、ハナショウブとは別物である。水辺に自生していて、草丈は1mにもなり、芳香があるが、花は淡黄色で小さく、観賞価値はない。一方、ハナショウブはアヤメ科の植物で、花が美しい。だから、五月人形と共に飾るのはハナショウブの方である。

 ところで、「いずれあやめかかきつばた」というように、アヤメの仲間は似たものが多い。ここでは詳しい見分け方まで書くのはよすが、ハナショウブの大きな特色だけ紹介しよう。葉の中央に太い葉脈が縦に通っていることが見分けのポイントである。そして、花は江戸の昔から改良が進められただけあって、最も豪華であり、形や色も豊富である。だから、ハナショウブは公園などに広く栽植されている。水辺に映えて、群がり咲く花の美しさは格別である。

 このため、一般に水性植物のように思われているが、公園でも一年中水をたたえているのではなく、風情を高めるために開花期だけ水を張っているのが普通だ。畑でも十分に育つし、鉢植えにもできる。

 植え付けの時期は、花の終わった直後の6月下旬から7月中旬がよい。この時が株分けの適期でもある。今年花の咲いた茎の両側に2〜3本の新芽が出ており、これが翌年に花をつける。だから、今年咲いた茎を新芽を着けたまま切り離し、葉は三分の一ほどに切りつめて植え付ける。新芽は生育し、さらに、今年中に次の新芽を出す。11月ごろまでに5〜6枚以上の葉を出した芽はすべて翌年花をつける。一度植えつけると3〜4年はそのままでよいが、毎年株元に土を寄せてやる。