花の消費
―国際水準にまだ遠い―
12月31日号掲載
index 「植物の成熟」に戻る 「切り花の水あげ」へ
注:この項は、現在とは大きくかけ離れている。この間の花の発展は著しく、現在、統計上は世界有数の消費国となっている。スーパーでも束売りをする時代になったし、ガーデニングブームもあり、花がたいへんに身近なものになってきた。しかし、個人消費量で見ると、まだ世界のトップクラスとはいえない。
 「花と緑」は豊かな暮らし、うるおいある生活を思い浮かべる。花は文化的生活必需品である。わが国の花の消費は、経済の成長とともに急速に増加した。花の生産は昭和35年ごろに比べ十数倍にも伸び、現在では農業の中でも、一つの重要な分野にまで成長するに至った。
 ところで、わが国の家庭ではどれくらいの花を購入しているのだろうか。切り花は昭和51年の統計では1家庭平均で年間4千7百円となっている。次第に、国際的な消費水準に近づきつつあるが、それでも、西ドイツ、スウェーデンなどのヨーロッパ諸国に比べると、まだまだ遠く及ばない。

 わが国の花の消費の特徴は、鉢花よりも切り花の占める比率がきわめて高いことである。そして、切り花のうち、大半は葬式、開店祝いや会場装飾などの業務用や活け花の稽古用であって、消費者が自分の好みで選び、小売り店から購入する分は全体の3分の1ほどしかない。その意味での消費支出はきわめてわずかで、せいぜい盆暮れに花を買うぐらいの金額である。

 もっとも、最近は生活様式の洋風化も進み、鉢物や株物の消費も非常に伸びてきたし、フラワーデザインなどの新しい分野での消費も増えつつある。しかし、花の需要は潜在的にはきわめて大きいにもかかわらず、花の値段が高いとか、店が少ないとか、なんとなく花屋の敷居が高いとか、流通上のいろいろな問題から消費が伸び悩んでいるのも事実である。
このような問題はあるにしても、花の生産関係の仕事にたずさわる筆者としては、生活の中に、さらに多くの花が取り入れられるように、願っている。