花と種類
―自然の造形を幅広く―
1月29日号掲載
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注:最近は、以前に比べると花の種類は非常に多様化してきた。少なくとも花屋の店頭では多くの種類が並ぶようになった。輸入の
切り花も増えている。
 キク、バラ、カーネーションは世界の三大切り花とされている。このうち、キクは日本を代表する花であり、これが世界中に広がっていることは日本人としてはうれしいことだ。わが国の鉢植え用の豪華なキクは世界に誇るべきものがあるが、切り花用のキクは残念ながら実は米国で改良され、逆輸入されたものである。もっともその後、日本でも改良が進み、今日ではほとんどの品種は国産品となっている。

 このことはさておき、日本ではキクが切り花全体の45%を占めるほどに重要な花で、次いでカーネーション、バラで、この3種で三分の二以上を占めている。このような寡占状態はこれらが美しい花であることだけでなく、現在の量産化時代に適した種類であることを示している。マスプロ時代には量産の効果が高いものに生産が集中するが、花の世界も例外ではない。何百種類とも数えきれない花が、このように残り三分の一に押しやられているのだ。もっとも、量は少なくてもそのつもりで眺めればまだまだ種類はかなり多い。とくに、鉢花の種類は豊富である。

 花に対する親しみは少年期から始まる。多くの花の種類と親しみ、自然の不思議さを味わうことは豊かな情操を高めることにもなる。子供達のためにも、残り三分の一にあたる多くの種類の花に目を向けて欲しい。サツキやオモトなど一つの種類に深い興味を示すのも楽しいものであるが、珍しい植物や山草など多くの種類に接することこそ、家庭園芸のあるべき一つの姿であろう。