種とり
―交配作業を確実に―
10月22日号掲載
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ヒャクニチソウ(ジニア)
 今は秋咲きの花の交配の季節だ。ヒャクニチソウなど、夏に咲いた花はまったく種ができな かったのに、秋になれば簡単に種が取れる。気に入った花の種を採って、来年にそなえるのも、楽しみなものだ。

 しかし、採種する株は注意深く選抜しないと、年々、品質が悪くなる恐れもある。また、他花受粉といって、他の花の花粉がついて種ができる種類は、昆虫や風などが運んだ花粉で受粉するので、時にはとんでもない雑種ができたりする。ケイトウなどは隣近所で栽培しておればまず良い種は採れない。この点、信用ある種苗商の種は、専門家が採種場で選抜しているだけに、間違いない。

 とはいえ、家庭園芸でも、採種株を正しく選び、他の花粉がつかないようにさえ注意すれば、十分に採種できる。さて、採種株の選抜の基準は、まず第1に、花弁の幅が広く、花が大きいこと、花色が美しいこと、第2に、草姿がよく、元気の良い株であること、第3に病害虫に侵されていないこと、などである。これらのすべてを満足するのはむつかしいかも知れない。この場合、たとえば花は大きいが、色がいま一つといった花に、美しい花色のものから花粉を取って交配するのもよい。良い花を毎年選抜し続けると、次第に良い系統になっていくものだ。

 確実に種を採るためには、花粉を雌しべにつける交配作業が必要だ。これは花の咲いた日の午前中がよい。そして、できれば、その後はパラフイン紙の袋でもかけて、他の花の花粉がつかないようにするのが望ましい。もっとも自家受粉といって、その花の花粉が自然につくものでは、とくに袋掛けの作業をしなくても雑種になる心配は少ない。
 自家採種は家庭園芸の楽しみを倍加させるはずだ。