接ぎ木
―芽接ぎが一般に簡単―
7月9日号掲載
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 接ぎ木した植物は案外、身近に広く利用されている。バラボタン、サクラ、ウメなどの花木類はほとんど接ぎ木されたものであるし、最近ではスイカ、ウリ、トマトなどの果菜類も接ぎ木苗が全盛だ。スイカはユウガオやカボチャを台木にするが、接ぎ木苗のおかげで、連作も出来るようになっている。
 接ぎ木は台木の丈夫さや病害虫に対する抵抗性の強さなどを利用するもので、いわば根を借りるようなもの。果樹では高接ぎ更新といって、既にある果樹園をそのまま利用して、枝の部分を全て新しい品種に入れ替えたりもする。

 植物の茎の表皮のすぐ内側には形成層というのがあって、この部分は細胞の増殖が盛んである。それで、台木と接ぎ穂の形成層を合わせると、そこに癒合(ゆごう)組織ができて、接ぎ木が出来るのだ。決して、茎の中心部同士を合わせるのではない。接ぎ木にはいろいろな方法があるが、すべて基本は台木と接ぎ穂の形成層を合わせることにある。もっとも一般的な方法は切り接ぎといって、台木を切ってしまってから接ぐのであるが、家庭園芸では芽接ぎが簡単で面白いだろう。

 芽接ぎは芽の部分だけ接ぐ方法で、台木は庭に植わっているままでよい。台木の接ぎたいと思うところに、T字形に横に1cm、縦に2〜3cmくらい皮の部分だけに切れ込みを入れ、皮を左右に開いて、接ごうとする芽を挿入し、ビニールテープなどで縛りつける。なお、芽は皮を少しつけた状態で、鋭利な刃物でそいだものを用いる。簡単に出来るし、失敗しても台木には特に影響もない。何カ所にも、あるいは続いて何回か試みることもできる。一本の木に紅白の咲き分けを作るのも面白い。なお、全く種類の違う植物を接ぐのは無理で、同じ種類で品種の違うものとか、近縁の種類間とかで接ぐようにしたい。