ジベレリン
―いろいろ面白い作用―
12月3日号掲載
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スパティフィラム
 動物にホルモンがあるように、植物にもホルモンがある。そのうちの一つにジベレリンがある。ジベレリンは、イネに馬鹿苗病という病気があって、この病気にかかった苗がひょろなが く、大きくなることから、その原因物質を追求して、日本の学者が発見したものである。このホルモンは発見の過程でも分かるように、植物の細胞を肥大させ、植物を大きくする生長促進 の作用がある。その他、植物の休眠を破ったり、開花を促進させたり、花粉なしで果実を肥大させるなど、多くの面白い作用もある。

 今ではなじみ深いものになっている種無しブドウも、実はジベレリンのおかげなのだ。開花の前後に2回、花房をジベレリン水溶液につけると、種がないまま、果実は肥大し、しかも、早く収穫できるというわけだ。デラウェアという小房の品種が有名だが、最近は大粒の巨峯も種無しが出回っている。

 花にも利用できるものが多い。たとえば、草丈を長くしたい時には、ジベレリンの水溶液を散布する。逆に伸びるのを抑えたいときは、植物体内でのジベレリンの生成を抑えたり、その作用を弱める働きがある生長抑制剤(別項参照)を散布する。もちろん、草丈の調節は、本来、栽培管理を上手にすることが第一ではあるが、薬でもある程度はできるのだ。

 シクラメンプリムラの蕾の小さいうちに、ジベレリン水溶液を散布すると、開花は見事に前進する。ツバキもそうだし、スパティフィラムなどのサトイモ科の植物も花が見事に早く咲く。キキョウの根やジャガイモに着けると、すぐに芽が動き始める。種子をジベレリン水溶液に浸してから、まくと発芽が早い。ほかにもいろいろ用途は広い。

 このようなホルモン剤はすべて共通しているが、微量で反応するものであるから、注意書きをよく読んで、使うようにしたい。