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鉢物の管理の基礎

鉢花・ガーデニング植物の殖やし方

○種子まき
 一、二年草や一部の多年草は、種子まきで殖やします。

☆種子まきの適期
 種子まきの適期は、種類によって異なりますが、春まき一年草は4月の晩霜の心配がなくなったころです。しかし、あわてる必要はなく、6月ごろまで差し支えありません。
 秋まき一年草は原則として9月です。寒さが来るまでに越冬できる大きさに育てる必要があるので、遅くまくのはよくありません。

☆種子まきの方法

◇容器と用土
 種子まきの用土は、清潔で肥料分をあまり含まず、水はけと通気性のよいものを用います。例えば、赤玉土小粒四、腐葉土四、パーライト二程度の混合土にすれば、ほとんどの種類の種子まきに使えます。市販の種まき用の用土でもかまいません。微細な種子の場合は、バーミキュライトやピートモス単用などがよいでしょう。
 種子まきの容器は、浅鉢などがよいのですが、深さ7〜10cm程度で、底に排水穴のある容器ならなんでも利用できます。
 容器に用土を深さ7cm程度入れて、板きれなどでよく抑え、均平にします。

◇種子のまき方
 種子の大きさによって、種子のまく間隔とまき方を変えます。大粒の種子は広く等間隔に一粒づつ「点まき」し、中粒の種子は等間隔のすじにまく「すじまき」、小粒種子は「ばらまき」にするのが普通です。いずれもあまり多くまき過ぎないように注意します。
 覆土はうすくするのがコツで、2mm程度の「ふるい」を使い、上からふるいながら種子がわずかにかくれる程度にします。覆土が厚いと発芽率は非常に低くなるので注意します。
 なお、キンギョソウなどの光が当たらないと発芽しない好光性種子や、微細種子の場合は、覆土をしてはなりません。

◇種子まき床の管理
 まき終わったら種子まき容器ごと水を入れたタライなどに浸け、下から十分に吸水させた後、発芽までは直射日光を避け半日陰の場所に置きます。好光性種子以外は、日除けと乾燥防止を兼ねて新聞紙をかぶせておくのが効果的です。ただし、新聞紙はいつまでもかぶせておくとモヤシのようになるので、発芽し始めたらすぐに取り除かねばなりません。
 発芽までは乾燥させない注意が特に重要です。水やりは中〜大粒種子の場合は細かいジョロで、小粒種子の場合は腰水を続けるのが無難ですが、発芽後は腰水をやめて霧吹きか噴霧器でていねいに行います。
 発芽したら徐々に強い光に馴らしていきます。本葉が出始めればなるべく早く移植します。
○挿し木 (観葉植物の挿し木参照)
 鉢花では最もよく使われる繁殖法で、茎や新芽、葉など植物体の一部を使って発根させます。多年草や花木類などで種子から育てたのでは親と同じものができない品種や、開花までに期間のかかる種類、種子のできにくい種類などは挿し木をします。挿し木でできた苗は、親の性質とまったく同じコピーです。

☆挿し木の種類
挿し木は植物のどの部分を挿し穂にするかによって次のように分けらます。
◇頂芽挿し
 茎の先端の新芽の部分を挿すもので、最も一般的な挿し木の方法です。
◇茎挿し(管挿し)
 葉のついた先端以外の茎の部分を挿すものです。
◇葉挿し
 葉だけを挿す方法と、葉柄をつけて挿す方法との二種類があります。葉挿しのできる植物はセントポーリア、ベゴニア、ストレプトカーパスなどです。
☆挿し木の適期
 一般に発根の適温は20〜25℃程度ですから、5〜9月が適期です。特に、5〜6月ごろは適温でもあり、発根しやすい若い芽も取れる時期ですから挿し木の最適期といえます。

☆挿し木の方法
◇容器と用土
 挿し木用土は清潔で、肥料分を含まないものがよく、鹿沼土、パーライト、バーミキュライト、赤玉土、川砂の単用が好適です。
 挿し床の容器は深さ7〜10cm程度で、底に排水穴のある容器ならなんでも利用できますが、少量なら浅鉢が使えます。
◇挿し穂の調整
 頂芽挿しの場合は、種類にもよりますが、展開した葉を4〜5枚程度つけて切りとり、上部2〜3枚の葉を残して、下葉を1〜2枚取り除きます。しかし、長さでいえば5〜8cm程度が好適ですから、節間のつまった種類では葉を多くつけ、節間の長い種類では葉を少なくします。茎の部分が手でポキッと折れるぐらいの若い芽を使うのが挿し木を成功させるコツですから、刃物を使う必要はありません。しかし、やむを得ず硬い茎を使う場合は、カミソリなど鋭利な刃物を使い、きれいな切り口にします。ただし、木本性の植物は刃物を使うことになります。
 茎挿しも頂芽挿しとほとんど同じで、葉を2〜4枚つけて茎を切り取り、上部2枚ほどを残して下の葉を取り除くのが一般的です。茎挿しでは茎が既に硬くなっているので刃物で調整します。
 葉挿しは、種類にもよりますが、普通は葉柄を1〜2cm程度着けて切り取ります。
 植物から切り離して後、なるべく早く調整し、すぐに挿し木をしますが、挿し穂がしおれているようなら基部を水に浸けて十分に水上げしてから挿し木します。切り口から白い汁液の出るポインセチアなどは、切り口をよく水洗いしてから挿します。また、多肉植物やサボテンなどは、切り口を一晩ぐらい乾かしてから挿します。作業は日中の暑いときは避け、朝または夕方に行います。
◇挿し木と挿し床の管理
 茎の基部2〜3cmを用土の中に挿します。あまり深く挿すのはよくないし、浅いと倒れやすくなります。なお、切り口に発根促進剤を少量つけると、発根しやすくなります。
 挿し木後は、日陰の場所に置き、水は最初に十分に与え、しばらくは朝夕の2回程度とします。多くの植物は、10日後ぐらいには茎の切り口にカルスという新しい組織が盛り上がり始め、発根しかける状態になります。このころから次第に強い光に馴らし始め、水も減らしていきます。ほとんどの植物は15〜25日で発根しますが、発根すればなるべく早く移植します。
○株分け
 主に多年草を殖やす時に行います。挿し木より繁殖能率は低いのですが、根のついた状態で殖やすので失敗の少ない繁殖法です。また、庭植えの多年草などで、単に殖やすと言うだけでなく、何年も植え替えないで放任しておくと株が老化します。この場合は数年に一度、株分けをしながら若返りを図るのにも利用します。

☆株分けの適期
 株分けの適期は、種類によって異なりますが、原則として春〜初夏咲きのものは前年の秋9〜10月、夏〜秋咲きのものは当年春の3〜4月ごろに行います。(植え替え参照)

☆株分けの作業
 多量に殖やしたい時は1〜2芽づつに分けますが、生育の遅い種類で早く成株にしたいときは4〜5芽づつに分けるとか、株を二分割する程度とします。
 株分けの作業の手順として、まず、根を傷めないように注意して古土をほぐします。そして、手で引き裂くようにまず二分割しますが、手で無理なときは鋭利な刃物で切り分けます。さらに細かく分ける時は、二分割の繰り返しをしていきます。用土は株分け前と同じか、それに近い配合がよいでしょう。鉢の大きさは、株分けした後のそれぞれの株の大きさに合わせて選びます。
 株分け後は十分に水を与え、半日陰の場所に置きます。新芽が動き始めたら、それぞれの植物に適した日照や環境に移して管理します。


繁殖したものの植え付けは「植え付け」を参照。