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鉢物の管理の基礎

鉢花・ガーデニング植物の置き場所

○春の置き場所
 春は温度の好適な季節で、鉢花にとって生育しやすい時期ですから、ほとんどの鉢花は戸外が快適な環境になります。ただし、光はかなり強いので、日焼けに注意します。特に、冬の弱光下で育っていた植物は、強い光にまだ十分に順応していません。徐々に強い光にならすようにします。
 また、陰性植物では4〜5月ごろから日除けが必要になります。
○夏の置き場所
 高温多湿になる日本の夏は、鉢花にとってあまりにも厳し過ぎる環境です。昼温の30℃や夜温の25℃を越す高温では鉢花も夏バテします。このため、できるだけ通風のよい涼しい場所に置くようにします。生産農家では高冷地に鉢花を避暑させるほどです。
高温時の直射日光下では、鉢内の温度が上がり過ぎて根をいためたり、葉の温度が上がり過ぎて葉焼けを起こすことがあります。鉢花は一般に光を好む植物が多いとはいえ、高温を避ける工夫の方が大切です。直射日光を避ければ涼しくなるので、涼しい午前中は日光に当て、午後だけ日陰になるようにします。あるいは、7〜8月だけなら遮光率30〜50%の寒冷紗を張った場所に置いても、軟弱な生育をする心配はありません。ただし、陰性植物は60〜90%の遮光が必要です。
○秋の置き場所
 秋は好適な気候ですから戸外でもよく育ちます。しかし、光線は弱まっていく時期なので、陽性植物は強い光の当たる場所に置き、陰性植物も9月中旬ごろから徐々に光に馴らし、10月には日当たりのよい場所に置くようにします。
 温度も急速に下がり始めるので、戸外では11月になれば霜除けをするか、霜の当たらない場所に移します。耐寒性の弱い植物は早めに室内に取り入れます。
 しかし、越冬のために寒さに順応させる必要もあるので、早くから過保護にするのはよくありません。
○冬の置き場所
 霜が降り、木枯らしが吹くころになると、鉢花の生育は緩慢になります。耐寒性の弱い種類は、日当たりのよい窓ぎわに置きます。ただし、夜の温度が重要ですから、冷えすぎるようなら窓に厚いカーテンをつけるとか、夜間だけ段ボール箱をかぶせるとかの配慮も必要です。なお、暖房機の近くは空気が乾き、温度も高くなり過ぎるので避けます。
 耐寒性植物や半耐寒性植物を戸外で管理しているものなどで、強い寒波がきて植物が凍ったときは、寒い場所でゆっくりと時間をかけて融かせば、寒害は少なくてすみます。急に暖かい場所に移したりすればかえって障害が強く出ます。
 冬の低温に遇わせることが必要な秋植え球根類、宿根草、落葉花木などは少なくとも年内に室内にとり入れてはなりません。
○フレームやハウスを利用する場合の注意
 フレームやビニールハウスがあれば鉢花作りがしやすくなりますが、管理を正しくしなければ、かえって悪い環境を作ることになります。
 フレームやハウスは寒風と霜を避ける効果はありますが、冬の夜の最低温度は露地と変わらないぐらい低くなります。このためフレームでは、断熱シートや毛布のような厚手の資材を夜間だけ被覆して保温する必要があります。ハウスは暖房することが前提の施設と考えた方がよいでしょう。暖房時には、省エネのために、二重の被覆をするようにしましょう。
 フレームやハウス内は日中の温度が上がり過ぎます。冬でも密閉にすると昼の温度は高くなり過ぎるのです。だから昼間は十分に換気をして、20〜25℃の適温を保つようにします。前夜に冷えた日ほど日中に温めることは考えないで、逆に早朝から十分な換気をして涼しくするのが正しい管理法です。
 春以後はビニールをはずすぐらいの換気が必要となります。
○ ベランダを利用する場合の注意
 ベランダは鉢花作りを楽しむよい場所ですが、風が強く、夏と冬の環境が厳しいことに注意が必要です。
 夏はコンクリートの照り返しが厳しいので、床に断熱剤を敷いたり、打ち水をしたり、適度な遮光をするなどの対策が必要です。また、冬の寒さも厳しいものがありまが、ビニールで風除けをしたり、一部は室内に取り入れるなどの対応が必要です。
 ベランダの欠点である強い風は、葉からの蒸散を大きくするので、葉に乾燥害が出ることが多いのです。このため、風の強い日には、葉水を頻繁に与えて、水分を補給することが大切です。また、風などで鉢を落下させない対策を講じることはベランダ園芸の常識です。
○年間を通して室内に置く場合の注意
 冬の低温が必要な植物以外は、年間を通じて室内で栽培することができます。しかし、基本的には、鉢花は強光を好むものが多く、陰性植物でも冬は十分な光が必要ですから、置き場所は窓ぎわに限定されてきます。窓ぎわで効率よく鉢作りを楽しもうとすれば、吊り鉢や飾り棚などを利用して、立体的に置き場所を工夫する必要があります。