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鉢物の管理の基礎

植木鉢のこと
 植木鉢は、植物を育てるだけでなく、観賞対象の一部にもなります。ですから、生育によいというだけでなく、美しいデザインや植物とのバランスのよさが要求されます。

○鉢の形
 最近は鉢の形も多様化し、インテリアを考えた優れたものが多くなってきました。吊り鉢、壁掛け鉢、スタンド鉢、バスケット鉢、角鉢、円筒鉢、底面吸水用鉢など多様です。
 普通の素焼き鉢や一般的な丸形の鉢は、直径と高さの比が1:0.8〜0.9程度ですが、これで外観的には目の錯覚で直径と高さが同寸のように見えます。これより比率が高いと腰高の感じになります。たとえば、直径と高さの比が1:1程度のものは腰長に見えるので、やや草丈の伸びるほっそりとした植物によく合います。観葉植物類はこのサイズに合う植物が多いので、この形で釉薬をつけた陶製鉢を観葉鉢と呼ぶことが多いのです。もちろん、もっと腰長の鉢もあります。洋ラン類などに使うラン鉢はかなり腰長です。腰の低い鉢は、草丈の低い植物に使います。
○鉢の材質
 プラスチックと土を原料にした焼き物とが代表的です。焼き物鉢には、素焼き鉢と釉薬のかかった陶製鉢があります。その他にも木やガラスなど特殊な素材のものもあり、希ですが最近は環境に優しいと言うことで紙製の鉢も注目されています。水がかかって変形しない材質なら、他の用途の容器を使って楽しむこともできます。
○材質の違いと機能
 素焼き鉢は、鉢の周囲から水を多量に蒸発しますが、プラスチック鉢や釉薬のかかった陶製鉢は蒸発しません。このため、乾きぐあいでいえば二倍以上もの差がでます。素焼き鉢はよく乾いて水やりの手間がたいへんですが、反面、過湿の心配は少ないのです。逆に、プラスチック鉢や陶製鉢は水やりの手間はらくですが、水をやりすぎて、根腐れを起こす心配があります。
 もう一つ大きな違いは、土の温度です。素焼き鉢は鉢の周囲から水が蒸発するときの気化熱で、鉢土の温度が低くなります。プラスチック鉢は、そのような機能がないので、夏の暑い時期に温度が上がりすぎる心配があります。夏は鉢にあまり光を当てないような配慮が必要です。しかし、逆に冬は温度が高めになって有利だといえます。
 どのような鉢がよいかは、多くの要素も絡むので、いちがいにはいえません。大切なことは材質による鉢の性質の違いをよく知って、ふさわしい管理をすることです。現在はプラスチック鉢が最も多く使われています。これは、扱いやすさ、デザインの豊富さ、価額の安さ、機能性の豊かさ、清潔感など多くの長所を持っているからです。しかし、鉢の風格からいえば陶製鉢が第一です。また、素朴な雰囲気は素焼き鉢に軍配が上がるでしょう。むしろ最近は素焼き鉢に優れたデザインのものが多く出回っており、人気が高まっています。
○鉢の大きさ
 鉢の大きさは号数で示します。これは、上面の直径を尺貫法の「寸」で示して、号に言い替えているだけです。1号は1寸ですから、3pになります。したがって、たとえば、4号は12p、5号は15pです。一般に鉢物として最も多く使うのは4号から5号鉢程度です。ただし、鉢数で言えばガーデニング用の苗が今はたいへんに多いのですが、これは3〜3.5号ポットですが、この場合はセンチ表示をする場合も多いようです。
 どのようなサイズの鉢を用いるかは、植物の大きさによってバランスを考えて選びます。始めから大きな鉢に植えるのは間違いです。乾きが悪く、過湿になり根腐れを起こしやすいからです。植物が大きくなれば、順次一回り大きな鉢に植え替えてやるのがよいのです。