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鉢物の管理の基礎

観葉植物と環境
 観葉植物の原産地は、ほとんどが熱帯か亜熱帯のものです。それを温帯の日本で育てるのだから、熱帯の気候の特徴や、観葉植物の好む環境条件などをよく理解しておく必要があります。

○熱帯と日本の夏 (熱帯より暑い日本の夏)
 熱帯といえば暑い夏を連想しがちです。当然、暑い地方もありますが、熱帯でも、標高の高い地方の気候は冷涼で快適です。むしろ、世界で最も快適で、冷涼な気候は熱帯地方にあるのです。熱帯は冬がないか、冬があまり寒くない地方だと考えた方がよいでしょう。むしろ日本の夏は日照時間が長い分だけかなり暑いのです。
 ですから、観葉植物は原産地が熱帯だからといって、必ずしも高温性の植物というわけではありません。
 植物は一般的に言って、30℃を越すと生長が悪くなります。観葉植物も例外ではありません。だから、観葉植物にとっても日本の夏はたいへん過酷です。夏の戸外では、日陰にして日焼けを防ぎますが、これには光を遮って少しでも涼しくする意味もあります。直射光に当たると、葉の温度は気温よりさらに高くなります。もし土が乾いておれば、葉からの水の蒸散量も減るので、体温を調節することが難しくなり、いっそう日焼けが助長されるのです。
○熱帯と昼の長さ (熱帯は昼の時間が短い)
 熱帯は暑いので昼の時間が長いと錯覚しがちです。しかし熱帯は、ほとんど一年中、昼の時間が12時間前後で、日本の夏のように朝早くから夜遅くまで明るいということはありません。これは植物にとって、一年中、日が短いと考えてよいのです。逆に、日本の冬は日照時間がたいへん短く、光が弱いので、光線不足になりがちです。
○観葉植物の要件 (観葉植物は室内向き)
 観葉植物は、室内で一年中管理することを前提にしたインドアプランツです。日陰を好むもの、あるいは日陰に耐えるもの、少なくとも室内の明るいところなら十分に育つものだけが観葉植物として選ばれています。
 一方、観葉植物は室内で越冬できるのが基本です。高温を好む種類でも、水を控えめに与えれば、ほぼ10℃で越冬できます。これはほとんどの住宅の居間なら得られる温度です。さらに、性質が丈夫で、管理しやすいことも観葉植物の要件です。このように観葉植物はだれでも楽しめるものが選ばれているのですが、もちろん全て満点のものばかりではありません。そこに、また管理の楽しさもあるわけです。
○室内の環境 (室内は空気が乾いている)
 観葉植物は、雨が多く、夜は露が降りるような多湿な環境で自生しているものが多いのです。しかし観葉植物を育てる室内は、非常に空気が乾燥しており、夜露が降りることはあり得ません。また、つる性植物は水分を含んだ老木などに着生していますが、鉢植えではプラスチックなど水分を含まない支柱に誘引したものが多いのです。
 だから、室内で観葉植物を上手に育てるには、葉水がどうしても必要なのです。ただし、多肉植物類などのように乾燥地で育っていたものは、逆に多湿にしない注意が必要です。
○冷房と暖房 (冷暖房の風は大敵)
 室内環境で最もよくないのは、冷房や暖房などの風の当たる場所です。空気が非常に乾いているだけでなく、風が当たることは、葉の表面から水分を奪います。そして、葉が縮れ、枯れ込み、そして落葉するなどの乾燥害がでます。扇風機の風も同様です。このため、植物に人工の風が当たらないようにするだけでなく、冷房や暖房を行っている室内では、頻繁に葉に霧水を与え、湿度を保ってやることが非常に重要になります。