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鉢物の管理の基礎

鉢物の水やり
 植物とのつき合いのほとんどは水やりです。それだけに水やりの上手下手は一日一日の積み重ねになって、生育の良否に現れてきます。
 水やりの基本は観察です。毎日土の状態や植物の顔つきを見て、水のやりどきを判断します。よく観察しておれば、寒くないか、肥料は要らないかなど、いろいろな世話のことも分かります。観察の上手な人は、水やりも上手だし、全ての管理も上手にできます。

○水の役割 (水は命の根源)
 水は植物の体内の約90%を占めている重要な構成成分です。葉では水と炭酸ガスを原料に、日光のエネルギーを利用して光合成を行い、植物が育つ根源となる澱粉を作ります。肥料分は水に溶けてから根で吸収され、澱粉と化合して体内の成分を作ります。また、葉からは水が蒸散して、気化熱によって体温の上昇を防いでいます。水はまだまだ多くの役割をしており,まさに植物の命の根源です。萎れさせるような水やりではよい生育をしません。
○水のやりどき (水やりは土がよく乾いてから)
 土は水を吸うと黒っぽくなり、乾くと白っぽくなります。この変化を目安にして、鉢土の表面が白っぽくなったときを水やりの時期と判断します。植物には乾湿のリズムが必要です。土が湿った状態のまま水やりをすると根腐れの原因になります。ただし、乾燥を好む植物は、土が白っぽくなってもしばらくは我慢させます。冬も同様に、土が白っぽくなってから数日後に水をやります。水が多いと植物は活動しようとするので、その分耐寒性が低下するのです。
○水のやり方 (水はたっぷりと)
 水は鉢の底から流れ出るぐらいたっぷり与えます。その理由は、土の中の隙間にある古い空気を押し出して、新鮮な空気と入れ替え、根に酸素を供給させるためです。中途半端な水やりは、古い空気が残り、新しい空気の供給が不足するので、根腐れの原因になります。水やりの量の多少は、一回当たりの水量のことではなく、回数で調節せよということです。要するにタイミングの問題と考えるのが正しいのです。
 なお、水やりの時間は暖かい日の午前中がよいでしょう。
 最近は鉢底に受け皿がついて、鉢底から吸水させる方式の鉢物も出回っています。低温に強い鉢花などはこのやり方でかまいませんが、高温性の観葉植物などは冬には底にあまり水を貯めないようにします。
○性質や状況に合わせて (乾き具合で鉢ごとに)
 土の乾き具合は、植物の種類、鉢の種類や大きさ、置き場所、用土の違い、天候や季節などでさまざまです。いくつもの鉢があるときは、いっせいに水を与えて、量で調節しようと考えないことです。乾き具合に合わせて鉢ごとに水やりのタイミングをこまめに判断しなければなりません。
○葉水も忘れずに
 水やりは土に与えるのが普通です。しかし、植物は自然界では雨に当たっているのだし、特に観葉植物は、熱帯の多湿なところに自生していたものが多いのです。だから、室内の植物は、ときどき霧吹きで葉水を与えて、葉を洗ってやり、空中の湿度も保ってやる必要があります。戸外の植物は、水やりのときにときどき葉上から洗い流すようにかけてやるのがよいでしょう。観葉植物の大敵のハダニ類は、春から夏の高温期に、空気が乾燥していると発生しやすいのですが、葉水はダニの予防にたいへんに効果があります。
 ただし、鉢花で開花中のものは上から水をかけると、花弁にシミができたり、病気が発生したりするので、開花中は葉水をかけない方がよいでしょう。