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鉢物の管理の基礎

農薬のこと

○病害虫の予防と防除
 健全に育っている植物は病気にかかりにくいものです。このためには温度や光、湿度などの環境に注意し、肥料や水やりを適正にして、健康に育てることが大切です。これが病気の最大の予防になるといえます。同様に正しい管理をしておれば、害虫の発生は少ないし、発生しても早く見つけて対策が取りやすいのです。
○病気と農薬のこと
 植物の病気は、かびや細菌が組織内で繁殖し、植物の組織を破壊します。人間の目には、破壊された組織を見て初めて病気だと気がつき、あわてて殺菌剤を散布するのが普通です。しかし、殺菌剤は病原菌を殺す効果はありますが、病気でいったん破壊された植物の組織を回復させる治療効果までは持っていません。だから、病気が発見された後に行う薬剤散布は蔓延を防ぐためのものであることを理解する必要があります。
 正しい殺菌剤の使い方は、発生が予測される病気に対して予防的に使用することです。でも、あらかじめ農薬をまいておくと言うことは、環境問題から考えて適当でないかもしれません。だから、病気に関しては少なくとも発生の極めて早い段階で、まだ、菌の密度が低い段階で、適切な薬剤散布するべきだといえるでしょう。
○害虫の防除
 害虫は病気とは異なって、発生している虫を殺すのであって、あらかじめ予防するものではありません。しかも、病原菌と違ってほとんどの害虫は肉眼で見えます。ダニなどの非常に小さな害虫でも、注意深く観察すれば見つかるものです。発見すれば早めに殺虫剤を散布して駆除します。大量に発生してからでは、植物も弱り、完全に駆除するのが難しくなります。害虫も早期発見、早期防除が基本となります。
 ただし、土に施用して根から吸収させる殺虫剤がありますが、これは植えつけ後の若いうちに施用するので、予防的な使用法となります。
○薬剤の種類
 農薬は大きく分けて、殺菌剤と殺虫剤とがあります。これらは、目的にしたがって正しく使いわけをしなければなりません。また、土壌専用の消毒剤もあります。
▲殺菌剤
 病気を防除するための薬剤で、一部の例外を除いて殺虫効果はありません。植物はかびによる病気が多いので、ほとんどの殺菌剤はかびを殺す薬です。細菌の病気に対しては、抗生物質剤や銅剤など専用のものを使わねば効果がありません。
▲殺虫剤
 害虫を駆除するための薬剤で、害虫全般に効くものと、ダニ専用、カイガラムシ専用、ナメクジ専用などがあります。ほとんどの薬剤は水に溶して散布するものですが、粉剤で粉末のまま散布するものや、顆粒剤で根から吸収させるものがあります。
○農薬の使用上の注意
 農薬は危険なものと考えがちです。しかし、神経質になり過ぎるのもよくありません。現在の農薬は毒性や催奇性、残留期間など多くの項目について基本的には厳しい検査に合格しています。しかし、危険が全くないかと言えば、必ずしもそうではありません。でも、正しい使い方をすれば、問題はあまり無いと考えて、可愛い園芸植物を守ってやる姿勢も欲しいと思います。
 その基本は、ビンや袋に記載してある注意書きとおりの正しい使い方をすることが重要です。たとえば、農薬を高濃度でまけばよく効くように思われがちですが、これは間違いです。かえって、葉を枯らしたり、植物に薬害を出す危険性もあります。適正な濃度で、葉の裏にもよくかかるように、ていねいに散布することが大事です。また、風の強い時は作業を避け、日常でも風上側から散布するようなことにも注意します。また、原液の保管と取り扱いには十分な注意を払い、体に付着したときは石鹸でよく洗い流すようにしましょう。家庭園芸ではスプレータイプの農薬もよく使います。これはあまり植物に近づけてまくと、葉に「冷害」が出ることがあります。農薬の影響ではないのですが、注意書き通り30cm以上は離してまくことも重要です。