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鉢物の管理の基礎

光と温度の四季

 日焼けで失敗した経験は、夏よりも春に多いのではないでしょうか。夏は光が強く、冬は光が弱い、この当然の常識がしばしば失敗の原因になります。
 
 実は、暑さ寒さの温度の四季と、光の四季は1か月以上ずれているのです。光が強く日長が最大になるのは6月下旬の夏至で、逆に光が弱く日長が最小になるのは12月下旬の冬至です。

 暑さ寒さも彼岸までといいますが、まだ寒い3月下旬と暑さの残っている9月下旬とでは光の量がほぼ同じなのです。春たけなわのゴールデンウィークのころは、春分からほぼ40日後ですが、この時の光の強さは、同じ日数を秋分からさかのぼると盛夏の8月上中旬ころと同じなのです。いわば春の光の強さは、夏のそれに匹敵すると考えてもよいほどです。ですから、日焼けは3〜5月の春が要注意すべき時期といえるのです。

 温帯の植物は四季を感じながら生活のサイクルを過ごし、厳しい冬や夏の気候に耐える工夫をしています。植物は寒いからといって動物のように移動して逃げることができません。そこで季節を先取りして、過酷な環境に耐える準備をするのですが、幸いなことに光の四季は温度の四季よりも一足早く来るので、植物は光で季節を先取りして準備するようになったと考えればよいでしょう。ただし、光の強さは雨や曇などで変動するので、変動しない日長を感じるようになっています。

 私たちは花を美しいものとして観賞しますが、植物の側から見れば、花は子孫を後世に残すための生殖活動です。不良環境が近づいていることを日長で正しくキャッチして、花を咲かせて種子を作り、丈夫な種子で夏や冬を越すのです。また、樹木や宿根草などは秋のうちに落葉し、休眠の状態で冬の寒さに耐えるのです。このような理由で、温帯の植物は、まず日長に反応するようになっていると考えると理解しやすいでしょう。

 その次に、植物は温度の四季を感じます。一定の期間の寒さにあってからでなければ、次の生長を始めないようになっています。春に花がいっせいに咲くのはこの理由からです。