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鉢物の管理の基礎

観葉植物の楽しみ
 観葉植物、それは現代感覚あふれるトロピカルプランツ(熱帯植物)です。生活に豊かさと潤いをもたらし、暮らしを緑で彩る観葉植物を、おしゃれに飾りたい、しして、育てながら楽しみたいそんな時代になってきました。

○緑は生活の文化
 わが国の文化は、素晴らしい日本庭園を始めとして、自然を尊重する古い歴史を持っています。鉢植えでも江戸時代の昔から、オモト、イワヒバ、センリョウ、マンリョウなどの斑入り植物が暮らしを彩ってきました。また活け花は世界に誇る日本の緑の文化です。
 しかし、現在は生活様式や住宅環境が大きく変化しました。自然が豊かであった時代のわびさびの文化から、自然の少ないコンクリートジャングルの都市生活の中での豊かな緑の願望へと生活そのものが変化しています。この現代の感覚にマッチしたグリーンインテリアの素材が、観葉植物です。今や観葉植物は日本人の生活の中の新しいグリーンとして定着しつつあるといえましょう。
○生活を共にする楽しさ
 観葉植物など室内で楽しめる植物を欧米では、インドア・プランツあるいはハウス・プランツと呼んでいます。緑を室内で楽しむ、それは人と生活を共にするのですから、ホーム・プランツでもあるわけです。植物はもともと地球上では、二酸化炭素を吸収し、酸素を供給するという人の命を支える役割をはたしています。その植物と生活を共にしたいのは、本能的な憩いへの願望でしょう。しかし本能だけでなく、そこにインドア・プランツを用いたグリーンインテリアのおしゃれがあってこそ、楽しみがあり、人の文化といえるでしょう。
○観葉植物の個性
 観葉植物は種類が豊富で、園芸店で入手できる種類だけでも数百種を下りません。品種や仕立て方の違いなどを含めると膨大な数になります。それほど豊富にありますから、自分の好みや室内の環境に合わせた種類を選ぶには事欠きません。しかもそのほとんどが室内の環境下で長く観賞できるものばかりです。もちろん種類による特性もあり、玄関や階段廻りなどに飾れる寒さや日陰に強い種類から、暖かい室内の明るいところに置かなければ越冬できない種類などたいへんに多様です。
 ただ一般的に観葉植物は、丈夫で管理しやすいものが多いのです。また、寒さに弱い種類でも、現在の住宅環境では、管理さえ正しければ越冬できないものはまずありません。長い間の経験から、種類も常に淘汰され、丈夫な種類だけが観葉植物として作られていると考えればよいでしょう。それだけに、個性的な種類の選択がしやすくなっています。その上、さらに、最近は新しい観葉植物の仲間が増えています。
○部屋を飾る
住宅は、壁や建具、それにカーテンや家具も含めたインテリアデザインがされています。グリーンもその中に位置づけてこそ、生活に潤いと彩りを与える本当のおしゃれです。これからの住居は、むしろ計画の段階からグリーンを念頭に置いたデザインがなされるべきでしょう。
 グリーンインテリアは、床や家具に「置く」、壁や柱に「掛ける」、天井から「吊るす」など、非常に多面的なデザインができます。そして、それが生命を持って生きているという変化、移動させることができるという変化を常に持っています。ある意味ではその「動く」変化がグリーンインテリアの特色でもあり、潤いでもあるといえるでしょう。
○「置く」
 床面に置くグリーンは、植物の立体感を活かす意味で、やや重量感のある大鉢や中鉢の一部が適しています。玄関廻り、階段廻り、リビングルーム、ダイニングルーム、浴室廻りなどの側面に、大きなグリーンのポイントを作るのに有効です。また、ポーチやベランダ、テラスなどに置いて、室内の空間を広げる感覚も必要で、これには大鉢や中鉢が効果的です。
 出窓や家具、卓上などに置くのは、小鉢や中鉢の一部が向いています。これは最もポピュラーなグリーンで、種類も豊富ですから、おしゃれぶりを発揮するには、種類の選択や配置など、いろいろな工夫ができる場面でしょう。
○「掛ける」
 壁や柱に掛けて立体的な絵画の感覚で飾ります。日本には従来、活け花の「投げ入れ」がありましたが、感覚的にはこれに相当するでしょう。しかし、鉢植えだからこそできるボリューム感のある現代風の装飾法です。壁が汚れるのではないかという抵抗感もあるかと思いますが、現在は容器も進んできたので、そう心配したものではありません。植物はつる性や下垂性のものが適していますが、工夫次第ではかなり多くの植物が適応できます。
○「吊るす」
 天井などから吊るして空間を立体的に飾ります。室内の一隅を飾ることによって、ファンタジックな雰囲気が楽しめます。容器や吊り金具の工夫はさらに演出効果を高めます。植物はつる性や下垂性のものが適しますが、ボウル状に仕立てたものも面白い雰囲気を醸しだします。軽量で清潔感のあるものを使わなければなりません。
○活け花感覚のおしゃれ
 多種類の植物を組み合わせ、一つの容器に並べる鉢寄せのグリーンは活け花感覚です。ミニ観葉がたくさん出回っていますから、いくつもの植物を組み合わせる楽しみが、本当のおしゃれかも知れません。