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鉢物の管理の基礎

鉢の用土
 鉢植えは、限られた土量で植物を長期にわたって育てるのですから、用土のよしあしが生育に大きく影響します。

○よい用土の条件
 植物によって好む土質は少しずつ違いますが、共通していえるよい用土の条件は次のようです。@水はけや水保ちがよく、通気性がよいこと。A与えた肥料分を保持する力が強く、適量の肥料分を含むこと。B清潔で、病気などの心配がないこと。
 感触でいえば、よい用土は、手で握っても固まらずにバラバラとくずれ、水を与えるとよくしみこんで、ベトベトしません。
○根は呼吸している
 根は呼吸していますから、酸素を供給しなければ、窒息して根腐れします。水が多すぎると根腐れするといいますが、根腐れの本当の原因は酸素不足なのです。これは水耕栽培でも、植物が育つことから理解できるでしょう。水耕栽培では水に酸素を供給しているのです。鉢植えでは、土の中の隙間にある空気が酸素を供給します。土中の隙間が小さく、いつまでも古い水が停滞して乾かない排水の悪い土では、酸素の供給が妨げられ、根腐れします。ですから、用土は、隙間が多く、排水のよいことが重要なのです。
植物の根は土の隙間を伸びて、生長します。そして、次第に根が隙間を占領し、空気を供給する隙間が減ってきます。また土も古くなると土の塊がくずれて隙間を減らします。これが根詰まりで、そのままにしておくと根が腐り始めます。植え替えは、隙間の多い土と交換する意味があるのです。
 なお、鉢底にゴロ土を入れる習慣がありますが、中小鉢では排水をよくする効果はほとんどありません。
○水保ちや肥保ちのよい土を
 隙間だけなら砂利でよいことになりますが、それでは肥料分を保ってくれないし、水やりもたいへんです。保水力や保肥力の大きいものは、粘土質の多い土、腐葉土などの堆肥類、ピートモス、バーミキュライトなどです。だから、これらが用土を配合するときの主な材料となります。
○用土の配合は
 用土の資材はたくさんありますが、いずれも単品では欠点があるので、基本的には複数の資材を混合して、欠点を補い、長所を引き出すようにします。
 市販の園芸用に配合された用土を使うのは最も簡便です。しかし、メーカーによって配合素材や用土の性質かかなり違います。自分に合った用土をテストしながら選んでいくことが望まれます。
 自分で配合する場合は、土壌群5〜4、有機質群3〜4、人工培土群2の混合比を基本ベースに考えるとよいでしょう。土壌群とは、赤玉土、鹿沼土、田土、荒木田土などです。有機質群とは、腐葉土、ピートモス、バーク堆肥、堆肥、厩肥などです。、人工培土群とは、パーライト、バーミキュライトなどの他に川砂、火山砂礫なども含めます。配合した後にフルイを通して微細な土を除くとよいでしょう。
 配合比は用途や植物によって若干の修正をします。たとえば、育苗や小鉢の植え付けなどでは土壌群を減らし、有機質群を増やします。大鉢では土壌群の比率を少し高めてもよいでしょう。また、酸性の用土を好む植物には有機質群の材料にピートモスを使います。酸性を嫌う植物には配合土一リットル当たり石灰3g程度を混ぜます。
○よい市販の園芸用土は
 園芸用に既に調合されたものがたくさん市販される時代になりました。でもこれには法の規制はなく、ほとんど野放しの状態なのが実状です。中には粗悪品もあるように見受けます。でも、ほとんどの用土は何の問題もありません。自分で調合するよりも簡便で、なんと言っても使いやすいので、やはり市販品を購入する時代になっているといえるでしょう。買うときの注意は、少なくとも製造物の責任の所在を明確にしてある意味で、必ずメーカー名が記載してあるものを選ぶのがよいでしょう。無名のものは絶対に選ばないことです。それから同じ容積でも軽いものがよいでしょう。これは有機素材が多い証拠だからです。
○使った用土は消毒して再利用しよう
 栽培の終わった園芸用土は、あまり何回も使うと土が悪くなってきます。特に、不要な肥料分が蓄積したり、病原菌が繁殖したりしています。でも、これを捨てることなく、再生して利用することを奨めます。
 その方法は、まず使い終わった土をよくほぐして、目立つような古い根を捨てます。そして、水をたっぷりとかけます。たっぷりかけることによって不要な肥料分などが洗い流されます。そして湿ったままの土をビニール袋に詰めて密封し、直射光の当たるところに置きます。そうすれば、袋の中の温度は太陽の熱で50℃以上の高温になってきます。土の中の水分は蒸気になって土の隙間にも行き渡るので、土全体が高熱で消毒されます。この状態で半月ぐらい放置し、その後、腐葉土など良質の堆肥を加えると、新しい用土に再生できます。病原菌はまず死んでいると考えて良いでしょう。