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園芸豆知識・雑学編A植物知識編





花の横にリンゴを置いてはならない。エチレンの話。






@パイナップル科植物のグズマニア園芸品種。エチレン処理して開花させる。
 ★昔、ハワイで野焼きの煙が流れた風下の方向で、パイナップルの花が早く咲くといわれていました。これは煙の中に含まれるエチレンの影響だったのです。エチレンは植物の老化ホルモンなのです。


Aバナナ(エチレンで熟成させている)

Bリンゴ(エチレンが多く発生する)
 ★老化ホルモンが増えると早く次の世代にバトンタッチしなければと思って、植物は生殖状態に入ります。それが開花です。パイナップル科の植物はたいへんに敏感に反応するので、観葉植物として栽培されるアナナス類もすべてエチレンの処理で開花させています(写真@)。

 ★ところで、バナナは熟すると日持ちしないので、輸入するときは青い実の状態で日本に来るのです。そして、日本でエチレン処理を行い一斉に熟させているのです(写真A)。自然の状態ではバナナの房が揃って熟すとことはありませんが、エチレン処理のおかげで、見事に揃って熟したバナナが店頭に並んでいます。

 ★エチレンは老化した植物から常に発散しています。果物は植物にとって最後の段階ですから、特に大量のエチレンを発生しています。リンゴやメロンの香りはエチレンの香りといってもよいのです。
 
 ★キウイフルーツのように収穫してもまだ熟していないので食べることができない果物がありますが、これは後熟が必要です。こんな場合もエチレン処理が行われます。家庭ではキウイフルーツに少しリンゴを入れて、ポリ袋などで密閉すれば早く熟させることができます。


Cカーネーションの切り花(エチレンの発生を抑える薬剤処理がされている)
 ★いっぽうで、花を観賞するときには、花を少しでも長持ちさせたいので、老化は進めたくないのです。ところが、花の隣にリンゴが置いてあると、リンゴのエチレンの影響で花は早くしぼんでしまいます。花を輸送するときには絶対に果物とは混載しないことになっています。

 ★そこまで分かれば、エチレンの発生を抑える方法があれば花はたいへんに長持ちするのではないだろうかという発想が浮かびます。この技術は既にあるのです。いま、カーネーションなどの切り花の多くは、エチレンの発生を抑制する薬剤を処理してから出荷されています。その処理によって日持ちはほとんど2倍近くになりました。(写真C)