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園芸豆知識・面白い形態編





ガジュマルの根上がり株と盆栽のこと
図 鑑





 ★ガジュマルは「絞め殺しの木」などと恐ろしいニックネームが付いていますが、園芸植物としてみると極めて重要は植物なのです。

@ガジュマルの鉢物。根のような根上がりのものを「人参ガジュマル」と称することもある。日本向け輸出用の姿で、福建省で撮影。
熱帯では盆栽用樹として極めて重要ですし、世界中で観葉植物として広く流通しています。そこで、以下には園芸植物として心癒す面についての紹介をしましょう。


ガジュマルの生産
(中国・福建省)



Aポリエチレンポットに種子をまいて育てる

B掘り上げる肥大した根が出来ている

C根の部分を強い水圧の水で洗う

D肥大した根を地上に出して鉢植えする


 ★ガジュマルは、根上がりの状態で仕立てたものが広く流通しています(写真@)。これを「人参ガジュマル」と称している場合もありますが、根の格好がいかにも人参のように見えるから付けられた名前であって、植物的には人参とは全く無縁で、ガジュマルそのものです。

 ★このガジュマルは中国の福建省で大量生産され世界に輸出されています。これの生産状況を少し説明しましょう。まずは、輸出作物だけに生産の規模は一つの農場でも何十ヘクタールと巨大です。この広大な畑に、ガジュマルの種子を播いたポットが見渡す限りといっても良いほどたくさん並べられています(写真A)。

E盆栽風に仕立てた観葉植物(福建省)

Fガジュマルの中型の盆栽(福建省)

 ★これを抜いて土を取ると、根は数本に分岐して肥大したものになっているのが分かります(写真B)。この根は太った人参のように見えます。そして、地上部を切り取って、太った根の部分だけが出荷されます。ここまでがいわばガジュマルの原料生産農場になります。

 ★次はいわば仕上げ農場の仕事になります。この肥大した根を仕入れた農場では、高圧ノズルで水洗します(写真C)。輸出用では土が付着してはならないので、丁寧に洗います。これをピートモスなどの用土でポットに植えてしばらく養生します(写真D)。しばらくすると新しい芽が多数伸びてきますが、これで、根上がり状態の鉢物が出来上がるわけです。


Gガーデンセンターの盆栽コーナー。ガジュマルがたくさん並んでいる。Bonsaiと書いてある(南アフリカ)
 ★輸出するときの生育段階はいろいろで、写真Dの段階でも輸出しますが、多くは新芽が伸びて製品に近い段階にまで育てたものが輸出されます。写真@はポピュラーな輸出時の姿です。もう少し立派な鉢に植え変えて、写真EFのような盆栽風のものも輸出します。

 ★盆栽そのものも輸出します。国際的に見ると盆栽の最も重要樹種はガジュマルではないかと思うのですが、外国の園芸店などで見る盆栽はガジュマルが最も多いように思えます。

Hガジュマルの大型盆栽(韓国で撮影)
その理由はおそらく、耐陰性が強いので、室内で長期間観賞できることにあるように思えます。インドアーボンサイというわけでしょうか。ちなみに、ボンサイは国際語で、ボンザイまたはボンサイとして通用します(写真G)。


Iガジュマルの果実(沖縄)
 ★中国では鉢の大きさが2mを越すような大型ボンサイがかなり多く見られます。移動させる場合にはおそらくクレーンが必要でしょう。写真Hはやや大型のガジュマル盆栽です。ここまで育てれば、気根が大量に出て風格ある姿になります。写っている犬と比べてみるとその大きさが分かると思います。これは当然に中国産ですが、写真は韓国ソウルで写したものです。

 ★ちなみに、ガジュマルは屋久島以南の熱帯地方原産のクワ科フィクス属(イチジク属)の高木で、学名はFicus microcarpaです。イチジク、インドゴムノキやベンジャミンゴムの仲間になるわけです。ですから、イチジクと同じような果実が出来ます(写真I)