ホ ー ム園芸百科鉢花図鑑観葉図鑑豆 知 識

園芸豆知識・雑学編@植物と民俗、お国ぶり編





口を真っ赤にして噛むビンロウの話
図 鑑






@ビンロウを売る店(台湾)

Aビンロウを売る女の子(台湾)
 

C檳椰セット(台湾)

Dビンロウの果実

Eキンマ(タイ)

F 檳椰セット(タイ)

Gビンロウジュの発芽したばかりのもの鉢物

Hキンマ(台湾)
★台湾に行けば、写真@のような店が各地でたいへんに目立ちます。小さな店ですが、看板の「檳椰(ビンロウ)」の字がやたら目立ちます。そして若い女の子が店番しています。以前はかなりきわどいセクシーな服装をした女の子が目立ちましたが、最近は女の子の露出度もやや少なくなったように思います。とはいえ写真AB程度の風景は現在(2010年)でも見られます。 

 ★この「檳椰」の店で販売しているのは、写真Cのようなものです。これはヤシ科植物のビンロウジュ(檳椰樹)の果実(種子を檳椰子:ビンロジという写真D)を薄く切って、石灰をつけて、キンマ(写真E)というコショウ科の植物の葉で包んだものです。

 ★これは、いわば「噛みたばこ」のような嗜好品なのです。噛むとアルカロイドを含む種子の成分と石灰、唾液が混じって、口中の唾液は真っ赤になり、軽い興奮、酩酊感が得られるようです。

Aビンロウを売る女の子(台湾)
口内清涼剤か、ドラッグのような嗜好品と云うところでしょうか。習慣性があるようです。しかし、口が真っ赤になり、しかも、唾液がたくさん出るのか、赤い唾(つば)をやたらと吐きだすのにはいささか嫌悪感を感じます。

 ★ビンロウを噛む習慣は、東南アジアの国々のどこででも見られますが、私の印象では台湾で特に目立つように思います。また、同じビンロウでも商品の形態は国によって多少異なるようです。

 ★写真Fはタイで普通に見られる商品形態で、台湾とは異なっています。ビンロウの種子を薄く切ったもの、キンマの葉、石灰の3点セットで詰めたパック商品になっています。バンコクの野菜や花を売るマーケットなどや露店で売られているところを見ると愛好者はかなりあるように思えます。

 
 ★ところで、写真Iがビンロウジュ(檳椰樹)です。まっすぐに直立した幹とアーチ状に波打った葉が美しい高さ20m近くもある高木性のヤシです。

Iビンロウジュの並木(台湾)
このヤシは東南アジアの熱帯各地で見られますが、特に台湾で目に付くように思います。美しい並木が台湾南部では各地で見られます。また、ビンロウジュの大規模な畑もたくさんあります。


 ★果実は長さ4〜5cmほどの楕円形で緑色ですが(写真D)、熟せば橙〜赤橙色になります。

 ビンロウジュは観葉植物としても出回っています。ただし、ビンロウではイメージが悪いからかどうか、学名のままに、アレカ・カテチュウ(Areca catechu、正しく読めばアレカ・カテクです)の名で流通することが多いようです。

Jキンマの栽培

Kコショウ(海南島)
写真Gは種子を発芽させてすぐの幼植物ですが、このような姿の可愛い小鉢物も流通しています。

 ★ビンロウの果実を包むキンマは、コショウ科コショウ属の蔓性の常緑多年草で、他物に絡まって育ちます。葉はハート形で光沢があります(写真EH)。この学名はPiper betle(ピペル・ベトレ)ですから種小名がベトレ、英名はbetel(ベテル)です。そして、ビンロウジュの英名はbetel nut(ベテルナッツ)ですから、いわばどちらもベテルです。そして、この両者をセットにして噛むことをベテルチューイングと云うようです。台湾では寒冷紗を張った日除けハウスでキンマが栽培されています(写真J)

 ★ちなみにキンマはコショウの仲間ですから、葉の形などコショウに似ています。参考までに、コショウは写真Kに示しました。

★ 台湾の檳椰(ビンロウ)店で、ビンロウの市販品の写真を写す機会を得ました。キンマの葉で、ビンロウの果実と石灰を包み込んだものがポリ袋に10個入れてあり(写真L)、これを冷蔵庫のショウケースに入れて販売していました。中味を見ると見事に小さく、上手に作ってあります。手のひらと比べてみるとかなり小さいことが分かると思います(写真M)。

L檳椰セットの商品(台湾)

M檳椰セット

N檳椰セットを分解した状態
分解してみると、キンマの葉には石灰が塗られており、小さなビンロウの果実が入っていました(写真N)。道端の露店で作っているのを見ると、なんだか不潔感を感じますが、これはおそらく専門の加工所で作ったものなのでしょう。あまり不潔な印象は受けませんでした。