園芸豆知識・雑学編@植物と民俗、お国ぶり編





ハスのことA ・・蓮の特徴と装飾
図 鑑






@ハスの景観(愛知県津島市)

Aハスの景観(中国:蘇州)
 ★ハスは景観植物として寺や神社、公園の池などに広く植栽されています。夏には花が咲き、景観を彩ります。
(写真@A)


B蜂の巣状の花床

C蜂の巣状の花床(タイ)
 ★ハスは、ハス科ハス属の植物です(以前はスイレン科に分類されていましたが、新しい分類体系(APG分類)ではハス科に分離されています)。ハスは、冬には葉が枯れますが、春の初めに出る葉は水面に浮き、その後に出る葉は水上に突き出ます。一方、よく似た植物にスイレンがありますが、これは基本的に水面に葉を浮かべる浮き葉です。

 ★ハスの花は、葉より上に伸びる花茎に1個咲きます(写真@)。花は早朝に開きますが、このときに「ポン」という威勢のいい音がすると古くから言い伝えられてきましたが、それは俗説で、そんな音は出ません。

D完熟種子と花床(日本)

E歩道上にもハスの花を売る店がたくさん並ぶ。ハスの花束を包んでいるのはハスの葉(タイ)

Fハスの花束を包んでいるのはハスの葉(カンボジア)。
そして、花は午前中にしぼんでしまいます。


G水盤に浮かべたハスの花(タイ)

H水盤に浮かべたハスの花(カンボジア)

Iホテルのベッドにハスの一花を置いて歓迎の気持ちを示してくれる(カンボジア)。

Jホテルのバスタブに浮かべたハスの花びら(カンボジア)。
 ★花が終わると、釣り鐘を逆にしたような蜂の巣状の花床が現れます(写真B)。東南アジアの仏教国では、この状態のものもかなりたくさん販売されています(写真C)。ところで、ハスの別名に「ハチス(蜂巣)」という名があり、「ハチス」の「チ」を省いて、「ハス」の名になったといわれています。この蜂の巣状の花床の孔の中には、丸い種子が出来ますが、これは食用となります。

 ★蜂の巣状の花床が成熟すると、写真Dのような奇妙な姿になります。たいへんに面白い形なので、前衛的な活け花などの花材に使用されます。黒い球状の種子は堅く、たいへんに寿命が長いことでも知られています。かって、大賀博士が1000年以上も前の地層から発見した種子の発芽に成功して、大いに話題になったことがあります。これは「大賀ハス」あるいは「古代ハス」の名で、現在日本の各地で栽培されています。

 ★東南アジアの仏教国にはハスの花を売る店が多いことは先にも書きましたが、よく見るとハスの花束を包むのにもハスの葉が広く使われています(写真E、F)。植物体の全てが有効に使われているわけです。

 ★ハスの花は仏様にだけ使われているわけではありません。レストランやホテルのロビーなどではハスの花を水盤に浮かべて飾っています。蕾を折り曲げて無理矢理咲かせたものが使われていますが、なかなか美しいものです(写真G、H)。

 ★ホテルのベッドに一花添えているときもあります(写真I)。また、ホテルのバスタブに花びらを浮かべている場合もあります(写真J。なんだかほのかな香りがするような雰囲気です。疲れて帰ってきたときなど心が癒されるような気分になります。

★仏教との関係は「ハスのこと@」で、レンコンなど食用関係は「ハスのことB」で記載しています。