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園芸豆知識・面白い形態編





オーストラリアのユニークな植物、ブラックボーイのこと
図 鑑






@ススキノキ(西オーストラリア州)
 ★オーストラリアの南西部のスタンレー山脈の山麓あたりの草原を走っていると、ソテツのような太い幹で、その先端にススキのような葉を叢生したユニークな植物がやたら目に付きます。幹は真っ黒です。草原や灌木の地帯の中で、このずんぐりした黒い幹はたいへんに目立ち、これが林立する風景はたいへんに印象的です(写真@A)。


Aススキノキ(西オーストラリア州)
 ★この植物はクサントロエア(Xanthorrhoeaといいます。和名はススキノキです。

 ★英名では端的にブラックボーイ(black boy)といいます。雰囲気をよく表した見事な命名のように思います。ただし、最近は、ブラックボーイは差別用語だとの声を聞きます。さて、こういう場合は差別用語に該当するのでしょうか。よく分かりません。和名と英名ではその扱いが多少異なるようですが、和名でも時代が変わると不適切な表現になる場合がよくあります。たとえば、シナスイセン。シナは良くないから中国スイセンと書くべきだと指摘を受けたことがあります。でも、和名を私が勝手に変更するわけにはいきません。


Bススキノキの花
 ★そのような雑談はさておき、このブラックボーイは、別の英名でグラスツリー(grass tree)とも云いますから、これを使う方が無難かもしれませんね。

 ★さて、このススキノキ、大きいものは4〜5mの高さになります。太さは30cmはあり、その先端に長さ1〜2mはある、凄く細い葉を多数叢生します。そして、高さ1.5mぐらいの花茎を出します(写真B)。

 ★話が変わりますが、オーストラリアでは山火事がかなり日常的に発生します。山火事の後の風景を見ると、灌木の木は黒こげになり、なんとも殺風景です。このススキノキの幹は元々黒っぽいのですが、山火事でいっそう黒くなっているのだそうです。

 ★ところで、ススキノキはオーストラリアを代表する植物の一つです。これはワシントン条約で指定されている植物で、当然にこの自然木の国外持ち出しは禁止されています。しかし、不思議なことに、希ではありますが、大鉢に植わった高さ1m以上のものが日本の市場で流通しています。1年に数センチしか伸びない生育の遅い植物ですから、栽培品とは考えられません。不思議ですね。

 ★切り花では、葉がスチールグラス、花茎がカンガルー・テールの名で流通しています。