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園芸豆知識・雑学編A植物知識編





ミリオンバンブー(万年竹、富貴竹)は「竹」ではない
図 鑑






@観葉植物として販売されるドラセナ・サンデリアナ
 ★「ミリオンバンブー」は日本語にすれば「百万竹」ということになりますが、竹とは無縁のドラセナ・サンデリアナ(写真@)という植物です。これは日本でも古くから栽培される観葉植物です。このドラセナは葉を取り去ると、茎が竹のように見えます(写真A)。この植物はなかなか丈夫で、根や葉が無くても、枝だけあれば、やがて葉と根が出てきます。


Aドラセナ・サンデリアナの葉を除去した状態(台湾)

Bドラセナ・サンデリアナの茎をピラミッド状に組んだもの
 ★ドラセナ・サンデリアナの竹のように見える茎を、写真Bのようにピラミット形に組み立てて、これを園芸商品として開発したのは、私の知識では台湾が最初のように思います。中国や台湾では、「富貴竹」といい、開運や金運を呼ぶ植物として、祝い事の贈り物などに広く使います。

 ★しかし、いつ頃からこの贈答が行われ始めたのでしょうか。台湾では昔からの習慣だという人がいますが、本種がアフリカ西部熱帯地方の原産で、これが観葉植物として導入された歴史を考えると、「昔」からというほど古いとは考えられません。かなり新しいはずです。いずれにしても、おそらく台湾で、この「竹」風をポイントにして、新しい商品開発をした素晴らしい園芸家が現れたと見て良いでしょう。そして、台湾でこのピラミッド形の富貴竹は広く普及しました。さらに、これが輸出商品にもなり、全世界へ広がりました。日本に入ってきた歴史はまだ1990年代後半です。

 ★当初はピラミッド形のデザインが普通でしたが、なかなか斬新なデザインとして世界中で受け入れられたように思います。その後、茎を曲げたり、カーブをつけたりする技術も開発され、デザインもいろいろと多様化してきました(写真C、D、E)。これらの技術も主に台湾で開発が進められました。最近は、茎の先端部分を切らないで、茎を筒状に編み込んだデザイン物が最も多く出回っています(写真F)。

 ★このミリオンバンブーは日本でもかなり見かけます。日本では「ミリオンバンブー」の他に「万年竹」あるいは台湾での呼称の「富貴竹」などの名で流通しています。

 ★ミリオンバンブーは、台湾で生産され、世界へ輸出していましたが、その後、中国本土でも生産されるようになり、現在では中国からの輸出が主力になっています。


ミリオンバンブーのデザインのいろいろ
C茎を曲線状に曲げたデザイン。中国や台湾では派手な赤いリボンで飾り立てる。日本では考えられない派手さ(台湾)。D孔雀のグッヅと赤いリボンで飾り立てたデザイン(台湾)。E複雑な組み合わせのデザイン(台湾)。F筒状にネット編みしたデザイン。日本向け輸出用のもの。このような鉢植えの姿で日本に輸出する(中国福建省)。




ミリオンバンブーはどうやって作るか

寒冷紗で覆った畑でドラセナ・サンデリアナは密植状態で栽培される。茎を曲線状にするときは鉢植えして、ある程度育って後に、横に寝かせる。そうすると先端部だけが上向きに伸びる。鉢を時々回転させると曲線形の茎になる(中国広東省)。

刈り込んできたドラセナ・サンデリアナの葉はエアーカッターですべて吹き飛ばしてしまう(台湾)。

左と同じく葉を落とす作業。こちらはカッターナイフを使って、葉を1枚づつていねいに切り落としている(中国広東省)
葉を落として丸坊主になった竹状の幹は電動カッターで、決められた長さに裁断する(台湾)。上部の切り口にはていねいに緑色のパラフインを塗る。これは切り口から腐ってくるのを防ぐため。たいへんに細かい作業である。塗り終わった茎はいろいろなデザインに組んでいく(中国福建省)。茎を筒状にネット編みする作業風景。これは先端部の芽を切り落とさないタイプのもの。「デザインのいろいろ」の写真Fの商品になる(中国福建省)。