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園芸豆知識・雑学編@植物と民俗、お国ぶり編





チークの葉の話






@チークの開花している姿
 ★チークは高級な木材として有名です。材質が固く、耐久性があり、高級家具に使われ、世界の三大銘木の一つと云われています。たいへんに高価なので、最近は薄くスライスして表面に貼り付けた合成材への利用が多くなっているようです。さて、材木のことはともかく、ここでは、チークの葉の話をします。

 ★チークは南アジアから東南アジアの熱帯モンスーン気候の地域に分布するクマツズラ科の高木で、高さは30mぐらいにまでなります(学名:Tectona grandis、英名:teak、和名:チークノキ)。東南アジアでは公園などでもよく見かけますが、ひときわ高く、よく目立ちます。花が咲く頃には白か帯青色の小さな花が数十センチの大きさの円錐花序になって、木を覆うように咲きます(写真@)。

 ★チークは葉が卵形で、長さは30cm以上になり、たいへんに大きいので、この葉がバナナの葉と同じように包装材や屋根材などに広く利用されるのです。
 

A切り花のキクの輸送時の荷姿。チークの葉でキクを保護している。

Bグラジオラスはチークの葉を厳重に巻き付けて、ビニールひもを巻き付けるだけの梱包。
 ★葉の大きさは木の大きさとあまり関係なく、幼樹でも十分に大きくなりますから、植林したばかりの若い木から採取することが多いようです。あまり大木になると葉はやや小型になり、また採取するのがたいへんです。

 ★ミャンマーでは切り花の包装材としてチークの葉を広く利用しています。多くの国ではバナナの葉を包装材としますが、ここではチークの葉を使います。おそらく花の産地では、バナナよりチークの葉の方が入手が容易なのでしょう。あるいは別に何か理由があるのかもしれません。


C花屋さんが一束売りするときもチークの葉1枚で上手に包む
 ★このミャンマーは花の消費が意外と多く、メイミョウなどの高原地帯で、花を生産し、1000kmも離れた首都ヤンゴンに大量に輸送しています。このときの梱包材がチークの葉です。

 ★キクは隙間のあいた木箱に入れて、輸送しますが、この木箱の内側にはチークの葉を敷いて、花を保護しています(写真A)。

 ★グラジオラスは箱を使わないで、チークの葉で厳重に巻いて、これを輸送します(写真B)、この場合は葉が重なるように十分に巻いてしっかりと包装しています。そして鉄道輸送しますが、この包装で酷暑の中、24時間以上かかる旅に耐えるようです。

 ★このような輸送用の包装だけでなく、花屋さんでもチークの葉で包んで、お客さんに渡していました(写真C)。1枚の葉で見事に包装できます。まさに、新聞紙の代わりといった感じです。

Dチークの葉を使った屋根葺き


 ★葉は、屋根葺き材としても使います。葉は枯れるにしたがって、がさがさした状態になるので、良い屋根葺き材とはとても思えませんが、がさがさした状態は意外と風情があります(写真D)。
 

 ★屋根材にチークを使うのはかなりの国で見ていますが、花の包装材に関しては、寡聞にしてミャンマーでの例しか知りません。あるいは他の国でも使っているのかもしれません。

 ★蛇足ながら、ミャンマーで、チークを伐採した後が禿げ山になって荒れている光景をいくつか見ました。おそらく素晴らしい換金植物なので、後のことも考えずに伐採したのでしょう。日本が買っていったからと説明されると、いささか気が滅入ってしまいます。でも、現在は盛んにチークの植林を行っているようなので、いささか安心しています。