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園芸豆知識・雑学編@植物と民俗、お国ぶり編





キャッサバ(タピオカ、マニホット)の話
図 鑑






@タピオカパール(スターチボール)

Aタピオカパール(スターチボール)
 ★タピオカといえば、健康食品かな、とその名を覚えている人も多いことでしょう。ミルクティにつぶつぶの粒状のものが入ったタピオカティ、中華点心でココナッツミルクにつぶつぶのものが入った甘いデザートなど、タピオカ澱粉はどこかで食していると思います。

 ★タピオカ澱粉を粒状に加工したものをタピオカパールあるいはスターチボールといいますが、これは食品売り場で売っているのをときに見かけます(写真@A)。

 ★このタピオカ澱粉をとる植物がキャッサバです。キャッサバはモミジのように深く切れ込んだ掌状の葉が美しい植物です(写真B)。

 ★キャッサバは、トウダイグサ科イモノキ属の中南米原産の熱帯低木で、木なのにダリアの球根のような形をした大きな芋ができます(写真C)。ですから、和名は「イモノキ」といいます。熱帯地方の重要な食料源の一つなのです。この植物はいくつかの呼び名があって、マニホット、マンジョカなどとも云います。

Bキャッサバ(インドネシア)

Cキャッサバの芋(インドネシア)


 ★キャッサバの栽培は、熱帯なら極めて簡単で、枝を切って挿しておくだけで発根し、1年もたたないうちに芋が収穫できます。栽培するというほどのものではありません。このため、新大陸の発見以後、特に、17世紀以後にアフリカやアジアの熱帯地方に急速に広がったのです。この初期の普及には、奴隷貿易との関係があるようで、アフリカから新大陸まで奴隷を船輸送するときの食糧にかなり使われたようです。


Dキャサバの栽培風景(インドネシア)

E道路脇の空き地などを活用して栽培している風景(インドネシア)
 ★タピオカ澱粉は、かって、健康食品ブームに目をつけた業者の宣伝が功を奏したのか、日本では一時かなりのブームになったように思います。タピオカ澱粉の成分は、澱粉質と繊維質だけで、ビタミン類やタンパク質などをほとんど含みせん。この故に飽食の時代には健康的なのかもしれませんが、特に健康的な食品とは必ずしも云えないように思います。蛇足ですが、その後、ヤシの果実の脂肪層を使った加工食品のナタデココもブームになったことがありますが、これもかなり廃ったように思えます。

 ★キャッサバの生産は世界的に見てかなり減少する傾向にありますが、それでも、熱帯では重要な澱粉原料作物ですし、まだまだ発展途上国の重要なカロリー資源と見て良いでしょう。

H野生状態で生育しているキャサバ(マレーシア)
畑で栽培している風景は各地で見られます(写真D)。また、簡単に、挿し木して育つ特性を利用するのでしょうか、畑の周辺やちょっとした空き地などに植えている光景もよく見られます(写真E)。


Fフリーマーケットで売っているキャサバの芋(インドネシア)

Gフリーマーケットで売っていたキャサバの芋の油揚げ(インドネシア)
 ★熱帯の国のフリーマーケットではキャサバの芋を売っているのをよく見ます。かなり大きな梱包単位で売っているところを見ると、やはり主食としての位置づけがまだ大きいと云うことでしょう(写真F)。また、お菓子のような利用になりますが、この芋を油揚げなどにして売っている風景も見られます(写真G)。

 ★アジアで、キャッサバの生産量の多い国はタイで、次いでインドネシアなどですが、これをそのまま食するものよりも、澱粉採取が目的のものの方が多いようです。家畜飼料用の澱粉採取を目的にしている場合もかなりあります。

 ★アジアの熱帯の国を走っていると、道ばたなどに野生化したキャッサバやバナナをよく見かけます(写真H)。 必要なときには食べるのでしょうか。

Iキャサバの斑入り品種を路側帯に植栽(タイ)

Jキャサバの斑入り品種を庭園樹として植栽(ラオス))


 ★キャッサバは姿が美しい植物ですが、葉に美しい斑が入った品種があり、これは観賞用植物として広く利用されています。熱帯アジアの国々の公園や路側帯などには、この斑入り品種がよく植栽されています(写真I)。群植されているキャッサバはなかなか美しいものです。また、庭木として植えてあるキャッサバも、丸い樹形になり、やはりなかなか美しいように思います(写真J)。

K観葉植物として流通するキャサバ(マニホット)の園芸向きの斑入り品種

 ★日本ではこの斑入り品種を観葉植物として利用します(写真K)。この場合、本種の属名であるマニホットの名で流通している場合が多いようです。キャッサバの名前から受ける印象は、熱帯の芋と云った感じが強いからでしょうか。

 ★ちなみに、キャッサバの芋には毒性があり、栽培されているものは毒性の弱い品種ですが、毒抜きをしてから食しています。ですから、観葉植物として流通するものは毒性の強いものである可能性が高いので、この根は食べないようにしてください。