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園芸豆知識・雑学編@植物と民俗、お国ぶり編





北朝鮮の金日成花、金正日花






@第6回中国花卉博覧会の北朝鮮ブース。後方が金日成花、前方が金正日花。
 ★’金日成花’、’金正日花’という花をご存じですか。

 ★デンドロビウム・ファレノプシス系の品種に ’金日成花’、キュウコンベゴニアの品種に’金正日花’というのがあるのです。デンドロビウム・ファレノプシスもキュウコンベゴニアも、種類的には朝鮮半島と縁もゆかりもない植物ですから、不思議に思われる向きもあるでしょう。しかも、実は、デンドロビウム・ファレノプシスの品種’金日成花’はインドネシアで育成され、キュウコンベゴニアの品種’金正日花’は日本で育成されたものなのです。いずれも、育成国なり育成者が、好意的に提供したものですが、ここではその解説は省きます。


A瀋陽世界花卉博覧会で展示されていた金正日花
 ★日本と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)とは国交がないので、この品種を見る機会は少ないのですが、さてどんな花なのかと思っている人も多いかと思います。

 ★北朝鮮と友好関係にある中国の国内で開催される花き博覧会などでは必ず北朝鮮ブースがあって、ここでは、普通はこの2種類だけの花が飾ってあります。写真@は、四川省成都市で2005年に開催された第6回中国花卉博覧会の北朝鮮ブースを写したものです。前方のキュウコンベゴニアの品種が’金正日花’で、赤色八重咲き大輪系です。キュウコンベゴニアとしては花が大きいというほどでもなく、特筆するほどの品種でもありませんが、赤色はなかなか強烈です。後方のデンドロビウム・ファレノプシス(デンファレ)の品種が’金日成花’で、赤紫色です。改良の進んだ今日、特に珍しいというほどのものではありません。いずれも、北朝鮮の担当者が水やりの必要なことを知らなかったのかどうか、1週間もしないうちにすべて枯れてしまい、見苦しい状態になって国際展示館でもこのブースはひときわ目立っていました。写真Aは遼寧省瀋陽市で2006年に開催された瀋陽世界花卉博覧会の北朝鮮ブースで展示されていたものです。このときはしっかり管理されていました。ただし、私が見たときはデンファレの品種、’金日成花’はありませでんでした。

 ★花の品種名に、王様や大統領など著名人の名を冠したものはたいへんにたくさんあり、これはむしろ普通のことなのですが、これを国家的行事で、国威発揚に使っている例は、世界広しといえども無さそうに思います。スターリン花、ヒトラー花なども聞いたことがありません。北朝鮮だけは例外的なように思えます。しかも、他の民族が開発した品種だというのもかなり珍しいのではないでしょうか。

 ★両種ともに、熱帯性で、高温を要求する植物です。北朝鮮の気候風土から見て、かなり異質な植物のようには思えますが、国威発揚のためにはそんなことはあまり気にしなくても良いのかもしれません。北朝鮮の花き園芸が大衆化したレベルになり、北朝鮮育成品種で世界に誇るような時代が早く来ることを願っています。

 ★ぼちぼち、金正恩花を寄贈する人が出るかもしれません。

 ★ちなみに、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の国家が制定した正式な国花は何なのかよく分かりませんが、オオヤマレンゲのようです。また、韓国の国花はムクゲです。



★次の切手は北朝鮮で発行された’金正日花’、’金日成花’です。国威発揚に使っているのがよく分かるように思います。