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園芸豆知識・雑学編@植物と民俗、お国ぶり編





南半球のクリスマスの花




 ★クリスマスツリーという名前の植物はどんな木でしょうか。さて、モミやドイツトウヒは英名がクリスマスツリーというのだろうかと考えられるのではないでしょうか。クリスマスツリーとして飾り付ける植物は、モミ、ドイツトウヒの他に、カナダトウヒコロラドトウヒスペインモミ、などもっぱら針葉樹が使われますが、クリスマスツリーという名の木ではありません。


 ★ところで、本題に戻って、クリスマスツリー(Christmas tree)という英名の植物がニュージーランドにあるのです。右の写真の植物です。高さ25mくらいになるフトモモ科の高木ですが、ニュージーランドの夏に、株全体が赤くなるほどにブラシ状の花が咲きます。南半球ではクリスマスが夏になりますから、開花期はちょうど良いわけです。
 ★同じように、オーストラリアにはクリスマスブッシュ(Christmas bush)という植物があります。左の写真の植物です。ブッシュというのは低木の意味ですが、それでもこの木は10mくらいになるクノニア科の植物です。花後に残る萼が大きく肥厚して深紅色となり、木全体を赤くするほどになります。オーストラリアでは夏の11〜1月が見頃になります。

 ★いずれも、株全体が赤くなるほどの植物ですが、当然のことながら日本で栽培すれば6月前後が開花期となります。

 ★クリスマスの植物というのではありませんが、クリスマスベルズ(Christmas-bells)という英名の植物が南アフリカにあります。これは、サンダーソニアの名で日本でも切り花としてかなり流通しています。橙色の釣鐘状の花をぶら下げて咲くイヌサフラン科の蔓植物です。南アフリカでは12月頃に咲くので付けた名前でしょうが、日本では6〜8月ごろに咲きます。
  ★南半球ではありませんが、中央アメリカの熱帯原産のポインセチアもクリスマスフラワー(Christmas flower)と云われています。欧米の温帯地域のキリスト教圏では栽培できない植物ですが、クリスマスの代表的な植物の一つになっています。これは、この植物が短日性であるが故に、温室内で栽培すればちょうどクリスマス前に開花することとも関係しているのでしょう。赤道に近い熱帯地域は一年中短日ですから、いつでも開花しますが、日長に季節変化のある温帯地域では、ポインセチアにとって好適な温度である夏は日が長いので開花せず、秋以後の短日期でなければ開花しないのです。

  ★ブラジル原産のシャコバサボテンもクリスマスカクタス(Chrismas cuctus)といわれています。これも、ポインセチアと同様に、温帯では露地で栽培できない植物です。しかし、短日植物ですから、温帯地域の温室内で栽培すれば11〜12月に開花します。その故にクリスマスカクタスといわれるのでしょう。ちなみに、赤道に近い地域の原産の植物は、短日条件しかないところで育ってきたわけですから、進化の過程で短日開花性を自然に獲得したのでしょうか、短日性の植物がかなりあるように思います。

 ★「クリスマス○○・・・」と名の付く植物、あるいはクリスマスの飾り付けに使う植物はたくさんありますが、多くは北半球温帯地域の植物で、日本に住む我々にも開花期的にはあまり違和感はありません。しかし、南半球、あるいは熱帯ではかなり事情が異なるのです。