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園芸豆知識・雑学編@植物と民俗、お国ぶり編





中国の春節を飾るミカンの鉢植え






@ぎっしりと実が着いた大型の鉢植え(雲南省)
 ★中国の南部では、春節(旧正月)に柑橘の鉢植えが、たくさん出回ります。ぎっしりと実の着いた見事なものが、春節の前には、園芸店だけでなく、街頭の臨時の露店などで、実にたくさん並びます(写真A)。

A整然とした美しい球形の樹形に仕立てた鉢植えが大量に並ぶ(福建省廈門のガーデンセンター)
よくこれだけ実を着けたものだと感心します。凄い栽培技術だと思います。

 ★日本で云えば門松のような使い方をすると思えばよいのでしょうか、ホテルやレストランなどの玄関の両側、もちろん、家庭の玄関の両側に、この鉢が飾られます。身長より高い2mほどもあるような大株から、小さな株まで、大きさは様々ですが、いずれにしてもたくさんの実をぎっしり着けているものが多いように思います(写真@)。

 ★このミカンの鉢植えを使う習慣は、北京などの北方の地方ではなさそうですから、ミカンが露地で栽培される地帯だけのように思います。私の見ている範囲では、福建省、四川省、雲南省、広東省、香港などのかなり広大な南部地域、さらに、東南アジアまで広がっているように思います。

B真っ赤な竜や提灯の飾りと共に並ぶ(雲南省)


 ★柑橘の「橘」と「吉」が同音なのだそうで、いわば縁起物としてこの習慣ができたと思いますが、一方で、黄金色の果実を金貨に見たて、財をなすことを祈る意味もあるようです。果実の金貨だけでは足りないのでしょうか、これに赤いお年玉袋をいっぱい貼り付けます。なんとも「ど派手」なクリスマスツリーといった感じになります。真っ赤な竜や提灯などのいろいろな飾りの中に、この柑橘の鉢植えを置いている場合もあります(写真B)。

 ★さて、栽培されている柑橘は数種あるようですが、最も多いのはシキキツ(四季桔)(別名:カラマンシー、トウキンカン)のように思えます。これはスンキ(酸桔)とキンカンとの雑種で、やや大型のキンカンといった感じです。フィリピンで栽培が多い柑橘です。不思議なことに、これをちぎって食する人はいないようで、いつまでも樹上で老化するまで飾られています。展示物などを平気で持っていく人が多いこの中国で、このミカンの実が無くならないのは不思議に思えますが、縁起物なるが故なのだろうと思えます。食味の方はやや酸味が強いようですが、まずいものではありません。四季咲き性で、若齢でもよく着果する性質があります。多分、着果性の良い本種が選ばれているのでしょう。。