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園芸豆知識・雑学編@植物と民俗、お国ぶり編





お釈迦様が悟りを開かれたインドボダイジュ






@インドボダイジュ(カンボジア)
 ★インドボダイジュ(写真@A)は熱帯アジアの各地で巨木が見られますが、この樹下でお釈迦様が悟りを開かれたという、仏教の聖樹として知られています。悟りを開かれるのにどれほどの日にちをついやされたのかまでは知りませんが、灼熱の太陽の下、この大木の樹陰は涼しくて、瞑想にふけるのにふさわしい場所のように思えます。

B巨大なインドボダイジュの樹下には仏像や祠などがある(タイ)

C巨大なインドボダイジュの樹下にある祠(カンボジア)

D巨大なインドボダイジュの樹下に豚を1頭供えている光景(カンボジア)


 ★タイなどの仏教国では、このインドボダイジュの下に、仏像を置いたり、小さな祠のようなものを置いたりして、信仰の対象にしています(写真B

Aインドボダイシュ(タイ)

Eバンコクのエメラルド寺院にあるインドボダイジュ

F樹下で休息する人や牛(インド)
C)。祭事であろうと思いますが、焼き豚を1頭、樹下に供えている光景も見られました(写真D)。また、寺院には必ずインドボダイジュが植えてあります(写真E)。


 ★しかし、お釈迦様の故郷であるインドは、仏教国でない故か、あるいはあまりにもポピュラーな木であるからか、特にそのような風景はあまり見られません。農村地帯へ行けば、この樹陰で一休みしている人や、座り込んで話し合っているのどかな光景をよく見かけます。特に、インドは牛がたいへんに多い国で、痩せた牛が、べったりと座り込んで休んでいる風景をよく見るのですが、やはり牛も涼しいところを好むようで、インドボダイジュやガジュマルの樹陰が好きなようです。熱帯特有の赤色の土壌に白色の牛、濃緑のインドボダイジュ、インドならではの光景のように思います(写真F)。

 ★インドボダイジュ(Ficus religiosaはクワ科イチジク(フィクス)属の植物ですが、この属にはイチジク以外に、観葉植物として有名なインドゴムノキ、ガジュマル、ベンジャミンゴム、フィカス・プミラなどたいへんにたくさんの実用種があります。アジアの熱帯ではインドボダイジュに似た植物はたくさんありますが、本種の葉は先端が尖って細く伸びているのが特徴です。


H観葉植物で流通するインドボダイジュ
 ★ちなみに、日本のお寺にはボダイジュ(菩提樹)が植えられますが、これは、シナノキ科の植物でインドボダイジュとは科まで異なる全くの別物です。日本で育つ植物で代替したのでしょう。


G日本(愛知県)で見たインドボダイジュ
 ★ところが、地球温暖化の影響かどうか、最近はインドボダイジュが関東以西なら露地で越冬できることが分かってきました。それで、本物の「印度菩提樹」を各地のお寺で見かけるようになっています。写真Gはお寺ではありませんが、愛知県豊明市で見たもので、樹齢は10年あまり、幹の径は10数cm、高さは平屋の屋根を越える大きさになっています。

 ★観葉植物としてインドボダイジュは流通しています(写真H)。先端が尖る独特の葉が好まれます。

 ★ちなみに仏教の三聖樹と言われるのは、このインドボダイジュ、そして、お釈迦様がこの樹下で生まれたというムユウジュ(無憂樹: Saraca asoca、別名アショカ)、お釈迦様がその木の下で入滅されたといわれるサラノキ( Shorea robusta、別名:サラソウジュ(沙羅双樹))があります。