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園芸豆知識・雑学編@植物と民俗、お国ぶり編





お釈迦様が生誕された聖樹ムユウジュと注連縄のこと






@ムユウジュ(インド)
 ★インドにはムユウジュという木が目立ちます 。街路樹や庭園にも広く使われています(写真@)。

Aムユウジュ(タイ・アットワルン)
また、タイなどの熱帯アジアのお寺には必ずといっても良いほどにこのムユウジュが植えられています。(写真A)

 ★ムユウジュは釈尊生誕の木といわれ、仏教の三大聖樹の一つになっています。摩耶(マーヤ)夫人がこの樹の美しい花に手を伸ばしたときにお釈迦様が生れたといわれています。もちろんインド原産の植物ですから、インドでは各地で大きな木を見かけます。インドはヒンズー教(ヒンドゥー教)の国で、仏教国ではありませんが、ヒンズー教でもこの木は神聖な木として扱われているようです。


Bムユウジュの新葉(インドネシア)

Cムユウジュの新葉(タイ)
 ★ムユウジュは和名ですが、これを漢字で書けば「無憂樹」となります。「憂いの無い木」とは素晴らしい名前ですね。多分、摩耶(マーヤ)夫人が安産されたからなのでしょう。英名あるいはインド名ではasoca(アソカ) treeといいますから、アソカノキあるいはアショカノキと呼ぶ場合もあります。学名は Saraca asocaです。

Dムユウジュの花(タイ)
高さは7〜8mのマメ科の常緑小高木で、小葉が6〜12対着く羽状複葉をしています。花はたいへんに美しく、小さな赤橙色の花を多数、散形に着けます(写真D)。新葉も美しく、ピンク色の鮮やかな色をしているのを見かけます(写真B)。そして次第に白色になり、緑色に変わります(写真C)。


Eムユウジュの葉を注連縄のように入り口に下げる(インド)

Fムユウジュの葉を注連縄のように入り口に下げる(インド)
 ★ところで、日本の注連縄(しめなわ)の原型のような使い方が熱帯アジアの諸国にあるように思います。これが注連縄の原型なのか、全く別物なのかは専門家でない私には分かりませんが正月に相当するようなときに、玄関などにつるされます。少なくとも形の上では、注連縄の雰囲気でもあり、主旨も似ているように思えます(写真E、F)。


Gフリーマーケットで枝を売っている(ミャンマー)

H建物の入り口にムユウジュの枝をぶら下げている(ミャンマー)
 ★日本の注連縄は、神社や神棚などの神聖な場所の内と外を隔てるものとされています。そして、和紙で作った紙垂(しで)を垂らします。ところがアジアで見るものは、紙ではなく、植物の枝です。その植物は多くの場合に、このムユウジュが使われているように思われます。

 ★ミャンマーのフリーマーケットで、このムユウジュの枝を売っていました(写真G)。何に使うのかと思ったところ、これを束ねて玄関の軒先につるしていましたから(写真H)、この場合は注連縄のような方法ではありませんでした。

 ★しかし、いずれにしても、ムユウジュは聖なる木として、ヒンズー教、仏教の国ともに魔よけ、あるいは結界の意味で使うように思えます。ちなみに、仏教の三大聖樹は、ムユウジュの他に、釈尊が悟りを開かれたインドボダイジュ、入滅されたサラノキです。