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園芸豆知識・雑学編@植物と民俗、お国ぶり編





湖でトマトを作る・・ミャンマー・インレイ湖






@インレー湖の「浮き畑」トマト栽培

Aインレー湖の「浮き畑」は浮き畑と云うよりは「浮き畝」
 ★ミャンマー東部のシャン高原に風光明媚なインレー湖があります。ヤンゴンの北500kmほどのところです。ここでは、水上の「浮き畑」でトマトを作るという不思議な産地があります。しかもそのスケールは大きく、ミャンマー最大のトマト産地なのだそうです(写真@)。

 ★この水上トマト産地は、湖上の各所にあり、見渡す限りの「浮き畑」の風景は壮大です。林立するトマトの支柱と空の青さや白い雲が、湖面に映える風景は幻想的でもあります。と同時に、少しは奇異なこの風景に、どうして水上にこのような畑を作ったのだろうかと、この耕作をしている少数民族インダー族の知恵への想いも頭に巡ります。


Bトマトの管理作業は船に乗ったまま行う

Cサトイモ科の植物もトマトの外側の空き地?などで作っている。
 ★近づいて見ると「浮き畑」と云うよりは、「浮き畝」であることが分かります。畝と畝の間の通路は作業用の船がぎりぎり通れる程度の幅になっています(写真A)。水路には、雑草と云うべきなのでしょうか、浮き草が漂っています。

 ★このような不思議な「浮き畝」は、インレー湖に生えている水草を集め、束ねて水に浮かべて作ります。ここにトマトを植えているのですから、地下の根のほとんどは当然に水中に出ています。ですから、これは水耕栽培と云うべきものでしょう。おそらく、世界で最大の水耕栽培トマト産地といってもよいように思えます。養分の多くは水中から得ていると考えざるを得ませんし、水中からの酸素の供給も十分なのだと思えます。


D移動は全て舟で行うのは当然だが片足で櫓を漕ぐ

E農家の住まいも水上住宅
 ★収穫などの管理作業は主に船に乗ったまま行いますが(写真B)、当然「浮き畝」の上でも行います。畝の上に人間が乗っても何の問題もありませんが、慣れない私が畝に上がってみると、ふわっとした感じで、本腰を入れないと、不安定で湖面に転落しそうな感じでした。確かに水に浮いていると云うことを実感できます。

 ★この湖は水深が浅く、乾期で2m程度、雨期で6m程度とのことです。そして、畝は、水中に挿した竹で固定されており、勝手に移動しないようにしています。ただし、時にはこの竹を抜いて、畝ごと引っ越しすることもあるそうです。いわば、水上にある移動可能な不動産というべき性質があるのでしょうか。

 ★なお、浮き畝の栽培作物は、トマトの他に、サトイモ科の植物があります。トマト畑の外側の畝などに多いように見受けます。ペインという植物だそうです(写真C)。

 ★ちなみに、ここでは、舟が唯一の交通、運搬手段ですが、彼らは片足を器用に使って櫓を漕ぎます。珍しい櫓のこぎ方が印象的です(写真D)。そして、彼らの住居はやはり、水上にあるようです(写真E)