ホ ー ム園芸百科鉢花図鑑観葉図鑑豆 知 識

園芸豆知識・面白い形態編





熱帯の着生植物のこと






@熱帯ジャングルの風景(マレーシア)

Aオオタニワタリのようなシダ類が付着した姿(マレーシア)
  ★熱帯ジャングルを見ると、多様な樹種が生い茂り、お互いが熾烈な生存競争と一方で共存の中で生活していることを実感します(写真@)。「絞め殺しの木」の凄い生存競争のことは別項で書きましたが、今回は着生植物のことを紹介しましょう。


Bオオタニワタリのようなシダ類が付着した姿(マレーシア)

Cタマシダのような姿をしたシダが付着した姿(マレーシア)

Eビカクシダを持って歩く人(マレーシア)

Gヤシにフィロデンドロンが付着している姿(マレーシア)

Iシンゴニウム(中国シーサンパンナ)
 ★着生植物とは、字意のとおり、他の植物や岩石などに付着して育つ植物のことで、寄主の植物から栄養を摂取する寄生植物とは異なります。

 ★熱帯ジャングルの樹木を見ると、この着生植物が面白いほど目に付きます。着生植物といえば着生ランが有名ですが、ざっと眺めたところシダ類が圧倒的です。オオタニワタリなどの仲間は、比較的陽光を好むと見えて、ひときわ高い樹木の日の当たる明るいところに多数着生しています(写真A、B)。

 ★タマシダのような姿をしたシダもよく見かけます。老木でコケが生えるような状態になるとたくさん着生します(写真C)。特に、ヤシは幹がシダの着生に適していると見えて、

Dヤシには付着する植物が多い(中国シーサンパンナ)。
ぎっしりと幹全体を覆うよう着生しているのを見かけます(写真D)。

 ★ビカクシダもかなり着生しているようですが、あまり見かけません。しかし、採取したビカクシダを手に持って、意気揚々と歩いている現地人の姿を時に見かけることから考えると、我々が歩くようなところではもう無くなっているのかも知れません(写真E)。ビカクシダは、原生林の間を走る道路の道端にある露店で、野生ランとともによく売っています。おそらく、原住民にとっては重要な商品なのでしょう。実際に、町の住宅の庭園では、庭木にビカクシダや野生ランを付着させている光景をよく見かけます。

  

Fフィロデンドロンの付着した姿(インドネシア)

Hアブラヤシの樹園でもほとんどの樹に着生植物が絡みついている(マレーシア)。
★着生植物は、着生されている方の植物にとってあまり迷惑でないのかも知れませんが、なんとなく壮絶な生存競争のように思えてなりません。

 ★特に、フィロデンドロンやシンゴニウムなどの蔓植物が着生して繁茂している姿はまさに壮観で、強烈な生存競争の雰囲気を感じます(写真F、G)。そのうちに樹冠を覆うようなことにでもなれば、明らかに光合成に影響が出ますから、このときは少なくとも着生された植物は負けてしまうのではないかと思います。

 ★ところで、マレーシアは油脂を採取するためのアブラヤシの生産が世界一の国で、延々とアブラヤシ畑が続く光景が見られますが、栽培しているヤシにもフィロデンドロンなどの蔓植物やシダがたいへんにたくさん着生しています。ほとんどの木に着生していると云っても大げさではありません(写真H)。着生しても生育に影響しないのか、除去することが困難なのか、気にしないだけなのか、栽培しているだけに不思議に思えます。でも、除去する必要性が少ないのかもしれません。これもまた、熱帯の植物のすざましい生き様を見るようです

 ★庭園では、わざと着生させる場合がありますが、写真I(中国シーサンパンナ)のシンゴニウムのように見事な覆い方をしている姿を見れば、これはあっぱれだと逆に感心してしまいます。