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園芸豆知識・植物の名前雑学編





ジャックビーン(ジャックのマメ)のこと)
図 鑑






@ナタマメ:上段の左は豆、中は莢の断面、右は莢の縦割り面
 ★「ジャックと豆の木」のイギリス民話はたいへんに有名です。民話のように、まさか天までとどく豆があるはずはありませんが、物語とはいえ、どの豆を想定した話なのでしょうか。

 ★実は、英名ではjack bean(ジャックビーン:ジャックの豆)という植物は存在するのです。これはマメ科ナタマメ属のタチナタマメ(学名 Canavalia ensiformis)です。ナタマメ属の栽培種は2種あり、タチナタマメの他に、ナタマメがあります。タチナタマメは名の通り立性ですが、ナタマメは蔓性です。

 ★いずれも、栽培量はそう多くはないので、一般には馴染みが薄いマメですが、それでも、実は、日本人ならほとんどの人が食べた経験のある豆なのです。というのは、カレーライスの添えに欠かせない「福神漬」にはナタマメが入っているのです。「福神漬」をよく見ると、断面がナタ型になっている刻んだ野菜が入っています。これが、ナタマメの若い莢を刻んだものなのです。


Aカスタノスペルムム

Bカスタノスペルムムのマメ。かなり大きい。

Cマメは園芸店でたくさん販売している(台湾)
 ★ナタマメの莢はかなり大きく、成熟すると30cm以上の長さになり、中には大きな豆がたくさん入っています(写真@)。

 ★ナタマメの種子は毒性があるので、そのままでは食用には適しませんが、水にさらして毒を抜いてから食用にしている国もかなりあるようです。東南アジアの国々で多いようです。いずれにしても、英名から考えて、「ジャックの豆」はこのナタマメと考えれば良さそうに思います。

 ★ところで、観葉植物で「ジャックと豆の木」の名前で流通しているものがあります(写真A)。カスタノスオエルムムというマメです。

 ★このカスタノスペルムム、英名ではAustralian chestnut(オーストラリアンチェスナット)、あるいはblack bean(ブラックビーン)と呼ばれるもので、学名はカスタノスペルムム・アウストラレ(Castanospermum australeといいますが、オーストラリア原産のマメ科の高木で、高さが20m近くにもなります。

 ★大木だけあってこのマメはかなり大型です。直径は5〜6cmほどあり、ナタマメよりはかなり巨大です(写真B)。ただし、世界最大のマメといわれる「モダマ」に比べると一回りほど小型です。タイなど東南アジアの国々の園芸店でこのマメはバケツなどに入れて大量に売っている光景を見かけます(写真C)

 ★この豆を播くと二つに割れて、芽を出しますが、その姿が面白いので、幼木の姿で観葉植物として出回ります。

D豆莢を飾り物に販売(台湾)
しかし、カスタノスペルマムは「ジャックビーン」とは全く関係なく、「ジャックと豆の木」の名前は日本で付けられたブランドネームです。この名が受けて一時はかなり一般化しましたが、商標登録されていたこともあり、現在は、オーストラリアビーンズ、あるいはカスタノスペルマムなどの名で販売されています。

 ★なお、この豆の莢(さや)は長さが20cm以上あり、なかなか大きなものです。写真Dは台湾で写したものですが、台湾らしく赤いひもで飾り付けています。ちなみに、カスタノスペルマムの発芽直後のものが園芸商品として日本で出回ったのは2000年前後で、その歴史はかなり新しく、その以前に台湾ではかなり流通していました。どうも台湾発で世界に広がったもののように思えます。