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園芸豆知識・面白い形態編





世界一大きな種子:オオミヤシ






@オオミヤシの種子(中国四川省)

Aオオミヤシの種子(タイ)

Bオオミヤシの種子(名古屋東山植物園)
 ★世界一大きい種子としてギネスブックにも記載されているのがヤシ科のオオミヤシ(大実椰子)です。果実は卵円形で30kgほどもある大きなもので、果皮を取り除くと、種子があります。種子は深いくびれがある尻のような形をしており、その形態に注目が集まります。また長さが35cmほどあるので、まさに大きさも適度と云うわけです。重さは20kgぐらいになるものもあり、たいへんに巨大で、ユニークです(写真@AB)。

Cオオミヤシの幼樹(タイ)


 ★このヤシ、インド洋上に浮かぶセイシェル諸島原産の幹高30mほどにもなる高木です。写真Cはまだ幹も出来ていない幼樹ですが、それでも大物ぶりが伺えます。果実は受精してから1年以上もかかって大きくなり、さらに数年かかって成熟します。果実が大きいだけに生長時間のスケールまでが大きいのです。

 ★学名はLodoicea maldivica、英名はdouble coconut, Seychelles nut, sea coconutなどといいます。英名の「double coconut」は、ココヤシの実を二つくっつけたような姿による名前ですが、日本の別名もフタゴヤシ(双子椰子)となっています。

 ★同じく別の英名である「sea coconut」は「海のココヤシ」の意味ですが、これは、海に漂流している果実の存在だけが知られていて、自生地がどこか分からなかった時代に付けた名前です。だから、海から来たヤシぐらいの意味でしょうか。日本でもウミヤシ(海椰子)という場合もありますが、日本にも漂着したことがあるそうです。

 ★学名の種小名のmaldivicaは「モルディブ(諸島)」の意味ですが、これも変です。モルディブは同じくインド洋に浮かぶ島々ですが、セイシェルからは遙かに離れており、この島にはこのヤシが存在しません。ですからこの島に漂着したオオミヤシの実を発見した西洋人が命名者となったのでしょう。でも、セイシェル諸島の住民にすれば、発見どころか先祖の時代から、このヤシとともに暮らしているのですが・・・。

 ★セイシェルは、総面積でも種子島ほどの大きさ、人口も10万人に満たない小国です。地図で探すのも難しいほどですが、風光明媚な観光地として知られています。

D大阪花博を記念して発行したオオミヤシの切手(セイシェル発行)
そのセイシェル原産であること自体で既にロマンチックな雰囲気が漂いますが、その種子が世界一大きい、しかも、何ともユーモラスな形をしているのですから、たいへんに話題性があります。そのため、世界各地の博覧会や植物園、博物館などの展示企画の人気品となっていますから、この種子はたいへんに高い価格で取引されているようです。写真@は、第6回中国花き博覧会で写したものです。中国らしく、艶やかな赤布の上に置いてありました。写真Aはタイのチェンマイ世界園芸博で写したものですが、ここでは大事なところ?をラベルで隠して、「ドントタッチ(さわるな)」と書いてあります。写真Bは名古屋の東山植物園で写したものですが、多少古くなっており、奇妙な姿になっていますがそれでも平然と展示しています。それぞれ、お国ぶりなのでしょうか。

 ★日本でも大阪花博では植物体を含めて展示されました。このとき、セイシェルでは大阪花博を記念したオオミヤシの記念切手シートが発行されました(画像D)。その一番左の人物切手には「Sako Fumiyo」と書いてあります。たしか、「世界不思議発見」のレポーターだったような気がしますが。 


 ★セイシェル諸島ではオオミヤシを図柄にした切手が下の画像のようにいくつか発行されています。

雌木
雄木
工芸品への利用
容器としての利用