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園芸豆知識・面白い形態編





地湧金蓮(チユウキンレン)のこと






@チユウキンレン
 ★中国雲南省には「地湧金蓮」という一風変わった植物があります(写真@)。「地面から湧いてきた金色のハス」という意味です。この名前は、当然中国名ですが、日本語の発音で読めば、「チユウキンレン」となります。まさに言い得て妙な命名のように思います。

 ★というのは、葉の無い状態で、太い茎(正しくは仮茎といって、葉鞘が茎状になっているものですが)だけが直立し、その先端に大きな花が咲きますから、あたかも、地面から花が湧いてきたような雰囲気なのです。そして、茎の先端に咲く花は黄金色で、ハスの花に似ています。特につぼみの部分はハスのつぼみにそっくりです。

 ★ところが、植物的にはハスとは全く無関係で、これはバショウ科の植物です。雲南省ではまだたくさん自生しているようです。
 

Aチユウキンレンの群植(中国雲南省)
 ★茎の高さは60〜100cmほどあります。茎も太いものだと20cmほどはあり、花の径は30cmほどになります。本当にユニークな植物なので、1本植わっているだけでもなかなか目立ちます。昆明市内のお寺などに行くと、庭の片隅に必ずといって良いほど数株くらいが植えてあります。仏教とハスの花「蓮華」とはたいへんに関係が深いので、この地湧金連のつぼみの形、あるいは「金連」の植物名から、これを植えているのではなかろうかと、私なりに解釈しています。1999年に開催された昆明世界園芸博で、目玉商品の一つとしてこれを群植した光景を見たときは圧倒されました(写真A)。

 ★本種は、耐寒性はかなり強く、凍らなければまず大丈夫ですから、関東以西程度の気候なら庭植で十分に越冬します。昆明世界園芸博で注目されて以来、日本でも時々見かけるようになりました。

 ★ところで、この地湧金連は、バショウ科の植物で、かつ寒さに強いというわけで、「耐寒バナナ」の名前で流通している場合があります。これは困った命名です。このチユウキンレンは、バナナ属ではないのです。チユウキンレンはムセラ(Musella)属でバナナとは近縁ですが属が異なります。

 ★なお、黄色の花弁のように見えるのは、実は苞で、本当の花はその間に小さく咲き、あまり目立ちません。学名は Musella lasiocarpaといいます。