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園芸豆知識・面白い形態編





巨大な浮葉・オオオニバスのこと・・子供が乗れる葉






@パラグアイオニハスのある池の風景(中国雲南省シーサンパンナ)
 ★子供が乗れるほどの巨大な浮葉で有名なオオオニバスというスイレン科の植物は、日本の植物園でもよく見かけます。でも、日本で見る大きさでは子供が乗るには少し危険な感じですが、熱帯で見るとこれはかなり見応えのある大きさです。


Aオオオニハスのある池の風景(インドネシア・ボゴール植物園)

Bパラグアイオニハスのある池の風景(中国雲南省シーサンパンナ)
 ★葉の直径は大きなものでは2mはあります。そして、不思議なことに周辺が直角に立ち上がって「たらい」のような姿をしています。葉の表面は平滑ですから乗ってみたくなるような姿ですが、実は葉の裏側や葉柄などは大きなトゲだらけなのです。

Cオオオニバスの葉の裏側
そして、網状の葉脈は裏面に強く隆起していますから、こんなに大きな葉でもしっかりした形を保っています(写真C)。単葉では世界で最も大きな葉の植物といえるでしょう。ギネスブックに記載されています

 ★実はこの植物、アマゾン地方原産の一二年草です。しかし、巨大な葉の姿と美しい花を観賞する目的で、世界各地の植物園や庭園に植えられています。熱帯性植物ですから、日本では温室植物と云うことになりますが、熱帯アジアの国々では、当然に自然状態で池に植えられており、各地で壮大なこの植物にお目にかかります(写真@A)。生育はたいへんに旺盛で、株の周辺では水面が見えなくなるほどに葉で覆われます(写真B)。

 ★たらい状の形をした葉ですから、スコールでも降れば、たらいの中に水が貯まってしまうのではないかと心配になりますが、不思議なことに水が貯まっている風景を見ません。これは、葉の周縁の立ち上がっている部分に切れ込みがあり、排水できるようになっているからです。また、表面に小さな孔が多数あいており、この孔が雨水などを排水するとも云われています。それでいて、子供が上に乗って浸水してこないのですから、自然の仕組みは不思議です。


Dオオオニバスの花(タイ・チェンマイ植物園)

Eオオオニバスの花(中国雲南省シーサンパンナ植物園)
 ★花もたいへんに大きく直径で15〜30cmほどにもなります。夜開性で、夕方に開花しますが、花の寿命は2日あるので、昼間でも花は見ることが出来ます(写真DE)。花には芳香があるのですが、池ですから匂いを確かめるのは難しいでしょう。開花したときは白色ですが、翌日には桃色になります。萼には強い刺があるので、つぼみ状態の時に見ると、なるほど「大鬼蓮」の名にふさわしいと思いますが、開花すれば花弁の方が長いのでそんな雰囲気ではありません。

 ★オオオニバスは学名がVictoria amazonica (ヴィクトリア・アマゾニカ)で、この名前はビクトリア女王にちなみます。英名は Amazon water lily (アマゾン・ウオーター・リリー)です。本種にたいへん近い仲間に、パラグアイオオオニバス(学名:Victoria cruziana)がありますが、オオオニバスよりは少し小型です(写真@B)。実は、日本の植物園で見るものは、このパラグアイオオオニバスの方が多いのです。なお、日本にも自生するオニバスは、葉の周辺が立ち上がりませんし、属も異なります。