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園芸豆知識・面白い形態編





カボチャの雑談A ・・・不思議なペポカボチャのこと



@ズキーニ緑系(ペポカボチャ)(韓国)

Aズキーニ黄系(ペポカボチャ)(タイ)

B扁平形(アラジン)

C扁平形(アラジン)

D球形(ゴールディー)

Eズッキーニの花(花ズッキーニ)
 ★カボチャは、ニホンカボチャ(Cucurbita moschata)、セイヨウカボチャ(C. maxima)、ペポカボチャ(C. pepo)の三つが代表的な種類であること、そして、カボチャ属の植物を一括してカボチャと呼んでいることを「カボチャの雑談@」で書きました。これは、「品種」のレベルの違いではなく、「種(種類)」のレベルの違いですから、わかりやすく云えば、アサガオ、サツマイモ、ルコウソウなどをを合わせてサツマイモと呼んでいるようなものなのです。

Fおもちゃカボチャ(ペポカボチャ)

 ★このうち、ペポカボチャは日本では比較的馴染みが薄いのですが、世界的に見ればかなり重要なカボチャなのです。観賞用から食用まで、あるいは、超小型から巨大なものまで、さらに、細長いものから扁平なものまで、イボイボのあるものや突起のあるものなど、極めて多彩な形態と用途の異なる品種がありますから、たいへん楽しい種類のカボチャだと云えます。

 ★日本で馴染みが薄いと云っても、ペポカボチャの中にはズッキーニがあります(写真@)。少しずんぐりしたキュウリのように見えますが、これはカボチャなのです。開花してから数日後の幼果を食べます。大きくすると繊維質が多くなり、食用に適さなくなります。キュウリとの外観上の大きな違いは、ズッキーニはヘタがたいへん大きいので簡単に区別できます。ズッキーニは炒め物などに好適です。

Gキンシウリ(ソーメンカボチャ)

Hソーメンカボチャを輪切りにして種子を取り出してから茹でて、少し果肉の部分をほぐしたところ

Iソーメンカボチャの果肉を引き出したもの。やや太い糸状になり、あたかもソウメンのよう。


 ★このズッキーニも実は多彩な品種があるのです。この典型的な例を写真@〜Dまでに示しました。日本ではどういう訳か緑色をしたキュウリ形が出回りますが(写真@)、美しい黄色のものもあります(写真A)。ここまでは、さほど違和感を感じることなく受け入れられるかと思いますが、ズッキーニには扁平形(写真BC)や球形(写真D)もあると聞けば驚く向きもあるでしょう。

 ★扁平形タイプは、薄っぺらいだけでなく周辺に突起があったり、切れ込み状になっていたりするものが多く、なんだかUFOを連想させます。このためUFOカボチャの愛称でも呼ばれています。奇妙な形ですが、日本ではまれにしか見ることができません。

 ★ズッキーニは花も食べます(写真E)。花だけのものを「花ズッキーニ」と呼び、雄花も雌花も食べます。

 ★ペポカボチャといえば、花き園芸の分野ではなんといっても「おもちゃカボチャ」が有名です。小型のカボチャで、形や色がたいへんに面白いので、もっぱら装飾用に用います(写真F)。どうしてこんな形や色があるのだろうかと自然の不思議さを感じるほどにバラエティに富んでおり、際限がないほどに多様です。おもちゃカボチャは、「かざりカボチャ」と呼ぶ場合もあります。なお、多彩なペポカボチャの例を、下段に集めてみました。

 ★さて、日本でのペポカボチャの歴史を考えれば、キンシウリを挙げねばなりません(写真G)。これは明治時代から栽培されていましたから、日本カボチャかと思いがちですが、れっきとしたペポカボチャです。ソウメンカボチャとも呼び、この名前の方がよく通じるかと思います。

 ★このカボチャもまたたいへんユニークです。外観は瓜状をした主に黄色、時には白色の形態的にはオーソドックスなカボチャですが、この果肉がソーメン状で、たいへんユニークです。まずは適当に輪切りをして、20分ほど茹で、冷水で冷やして、果肉の部分を少しほぐしてみると、果肉が繊維状なのが分かります(写真H)。そして、これを引っ張り出してみると、なんと見事なソウメン状の果肉が現れます(写真I)。まことに不思議な自然の造形という他ありません。

 ★このソウメン、酢の物かマヨネーズ和え等にしますが、淡泊な食味で、しゃきっとした食感を楽しむことができます。

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おもちゃカボチャのいろいろ(全て日本で撮影)