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園芸豆知識・面白い形態編





ドクロを巻くヘビウリのこと






@ヘビウリの果実(中国広東省)

A赤く着色したヘビウリの果実(中国広東省)
 ★くねくねとした細い果実が、1m以上にも延びる奇妙な植物があります。ときには2mくらいに伸びる場合もあります(写真@)。この写真は棚作りですが、地表で育てれば、蛇がどくろを巻いたような姿や、鎌首をもたげたような姿などになります。

Bヘビウリの花
いずれにしても、素直に伸びる果実ではありません。姿だけでなく、果実の色まで、薄い緑色に濃緑色の縞模様あるいは白い線状の模様が入り、どう見ても蛇を連想してしまいます。

 ★この植物の名前は「ヘビウリ」です。英名もスネーク・ゴウド( Snake gourd)ですから、訳せば同じような意味になります。東西誰が見ても蛇と見えるのですね。学名はTrichosanthes anguina。 

Cカラスウリの花

Dカラスウリの果実


 ★ヘビウリはウリ科の植物ですが、一般に云う「ウリ」の仲間ではなくカラスウリの仲間です。カラスウリは日本の山野に広く自生しています。夏の夜に咲く花が、糸のように繊細で幻想的ですが(写真C)、柿が色ずく頃には、樹にからまって伸びた蔓にぶら下がる赤い果実がひときわ目立ち、その存在を示すようになります(写真D)。

E短い野菜用ヘビウリ「短果蛇瓜」(台湾)

Fヘビウリ(短いヘビウリ)の果皮の斑模様(台湾)
ヘビウリの花もカラスウリとそっくりです(写真B)が、カラスウリの方が少し繊細な感じです。また、カラスウリが夜に花開くのとは多少異なって、ヘビウリは明るいうちから花が開きます。

G果実がたいへん細長いヒョウタン
ちなみに、ウリ類の花は黄色が多いのですが、カラスウリの仲間は白色です。また、多くのウリ類は果実が熟すると黄色くなりますが、ヘビウリはカラスウリと同様に赤くなります(写真A)。

 ★ヘビウリは原産地はインドで、我が国へは明治末期に渡来しています。観賞用植物として導入されたと思います。そして、現在でも植物園や趣味家など、各地で観賞用に栽培されています。

 ★これが同じ植物なのかと思うほどに果実の形が異なって、短くて太いヘビウリがあります(写真E)。中国語で「短果蛇瓜」と書きます。これは、観賞植物ではなく、ヒョウタンやヘチマと同様に幼果を食する野菜なのです。東南アジアなどの熱帯では普通に出回っています。味は、苦みはなく、皮に独特の臭気があり、炒め物やカレー料理などに用いるようです。また、若芽も野菜として食べるようです。

 ★ヘビウリの果実は淡緑色、濃緑色、白色などの線状の縞模様が入るのが普通です(写真F)。観賞植物ならともかく、野菜の斑入りというのは何となく違和感を感じます。

H満艦飾のヘビウリ(名古屋市農業センター


 ★日本でも、これを野菜として普及しようと栽培したこともあるようですが、幼果とは云いながら日本人の好みに合わないようで、普及している様子はほとんどありません。

 ★蛇足ながら、ときにヘビウリと勘違いするものに、たいへん細長いヒョウタンがあり、長さが2m以上のものがあります。