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園芸豆知識・面白い形態編





巨大な木性のシダ、ヘゴのこと
2007.11






A観葉植物として流通するヘゴ

@ヘゴ仕立てのヘデラの鉢植え
 ★「ヘゴ」は、蔓性の観葉植物の支柱(写真@)や、洋ランの植え込み材料として、古くから愛用されてきました(写真G)。でも、最近は、以前に比べるとあまり見かけなくなっています。これは、かって、園芸利用のためにあまりにも乱獲されて、熱帯地方の自然を破壊する結果になったことから、ワシントン条約で輸出入が規制される品目に指定されてからです。ワシントン条約とは、絶滅の危機にある動植物について、国同士の取引を規制する国際条約で、日本も加盟しています。

 ★ところで、ヘゴはシダの仲間です。ヘゴという植物はありますが、普通はヘゴ属の植物を総称してヘゴと呼んでいます。一般的にシダと言えば草状の姿を思い浮かべますが、このヘゴ属のシダは、樹木のように草丈が数メートル、高いものでは10メートルにもなる木性のシダなのです。

Fトーテムポールのような彫刻をしたヘゴ材(台湾)
茎は直立し、茎の先端にのみ葉を叢生します。そして、茎の部分は多数の不定根が分厚く重なって、茎を覆います。この茎の部分を「ヘゴ材」として園芸利用するのです。

B熱帯ジャングルで見るヘゴの仲間(マレーシア)

C石垣島で見たヒカゲヘゴの群落

D沖縄本島で見たヒカゲヘゴの群落(高所から見下ろして写す)

Eランを着生させたヘゴ材が並ぶ庭園(台湾)


 ★ヘゴ材ではなく、植物体としてのヘゴそのものも観葉植物として鉢植えの姿で流通しています(写真A)。やはり、木性の姿をしていますが、まだ、幹が形成されていない若い植物も鉢植えで流通しています。

 ★熱帯に行くと、このヘゴの仲間は現在でもかなり普通に見かけます(写真B)。ヘゴには多くの種類がありますが、林地の周辺など、明るいところに自生しているのは「ヒカゲヘゴ」という種類の場合が多いのです。そして、ヘゴ材の材料としてこの「ヒカゲヘゴ」が多く利用されます。ヘゴの仲間は、日本にも自生しており、ヘゴは九州最南部や八丈島以南に、ヒカゲヘゴは屋久島以南の地域にあります(写真DE)。

 ★ヘゴ属の植物の輸出入が規制されているとはいえ、それぞれの国内での規制は国によって異なりますから、南方の国に行けば、ヘゴは現在もまだかなり園芸利用されています。


Gヘゴ材をくりぬいた鉢(台湾)

Hヘゴを砕いた植え込み資材(台湾)
 ★ヘゴの幹はそのほとんどの部分が不定根の重なった状態ですから、孔隙だらけで細工は比較的簡単です。ですから、原木にモアイ像のような彫刻を施して、庭園に置いている風景を時に見かけます。これに、ランを付着させると、花着きのトーテムポーロのように感じになります(写真EF)。

 ★また、中ををくりぬいて作った「ヘゴ鉢」が、台湾などの熱帯地方のフリーマーケットなどで販売されているのを見かけます(写真G)。ランを植え込むのに適した鉢と云うことでしょう。そして、このような加工段階で出来たヘゴチップも、ラン類の植え込み資材として好適なので、やはり普通に販売しています(写真H)。ランを家庭で楽しむのにたいへんに便利だといえるでしょう。でも、これを日本へおみやげとして持ってくれば、これは輸入になりますから、ワシントン条約に違反します。まずは没収されると考えればよいでしょう。念のため。