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園芸豆知識・面白い形態編





世界一大きな花:ラフレシアとスマトラオオコンニャク






@ラフレシアの花の標本(京都植物園)
 ★世界一大きな花は何か。ラフレシアだ、いやスマトラオオコンニャクだと二つの見方があります。いずれも世界一としてギネスブックに記載されています。どちらが大きいかの説明は後まわしにして、それぞれの世界一を紹介しましょう。

 ★まずは、ラフレシア(写真@)のこと。
 ラフレシアはインドネシアなどの東南アジア島嶼部とマレー半島に分布しています。ラフレシア科ラフレシア属の植物は十数種が知られていますが、最も花の大きいのはラフレシア・アーノルディ(Rafflesia arnoldii)で、花の直径は90cmほどある巨大なものです。単にラフレシアといえば、普通はこのアーノルディ種のことを指します。ところで、ラフレシアは寄生植物で、茎も根も葉も無いのです。そして花だけが咲きます。ブドウカズラ(写真A)などブドウ科の植物に主に全面的に寄生します。

Aラフレシアの寄主として知られるブドウカズラ
ラフレシアの花は何とも臭く、汲み取り便所のようなニオイがします。このニオイに誘引されてハエが集まり受粉の助けをするのです。現地でこの花を見るのは開花のタイミングのこともあってなかなか難しいのですが、大阪の花博で展示されたものを始めとして、日本にも標本はたくさんあります。


Bスマトラオオコンニャクの開花寸前の状態(イギリス・キューガーデン)
 ★次ぎに、スマトラオオコンヤク(写真右)のこと。
 スマトラオオコンニャク(Amorphophallus titanum)は、サトイモ科コンニャク属の植物で、インドネシアのスマトラ島の熱帯雨林に自生しています。花は大きなものは直径1.5m、高さ3.5mにもなる巨大なものです。この大きさから云えば文句なしの世界一です。日本の植物園にも栽培しているところがありますが、数年に一度しか開花せず、しかも、開花期間がわずか2〜3日ほどなので、見るチャンスに恵まれるのはかなり難しいでしょう。実は、写真Bはイギリスのキュー植物園で写したものですが、開花直前のものです。旅行中でもあるので、残念ながら開花しているところを見ることが出来ませんでした。高さは3mほどはありますが、中央付近の縦の縞模様が見えるあたりを仏炎苞といい、これが漏斗状に大きく開き、赤茶色になります。この仏縁苞が燭台のような感じなのでショクダイオオコンニャク(燭台大蒟蒻)の別名もあります。この花もラフレシアと同様に悪臭がします。

 ★ところで、コンニャク属の植物は、共通して、毎年、葉は1枚しか出ません。このスマトラオオコンニャクも巨大な1枚の葉しかありません。そして、地下にある球茎(芋)を数年がかりで太らせます。芋が十分に太ったら、今度は葉を出さないで、花だけが出てきます。だから、この写真でも葉はありません。

 ★さて、ラフレシアとスマトラオオコンニャクのどちらが世界一かという話に入りましょう。
 ここで、花と花序のことにふれねばなりません。わかりやすく云うなら、バラの花とキクの花はどちらが大きいかと聞けば、多くの方はキクの方が大きいと考えるでしょう。でも、キクの花は集合花で花弁の一つ一つが花なのです。その証拠に、すべての花びらに雌しべがあります。バラは全体で雌しべは一つです。となると、単体ではバラが遙かに巨大、、キクは極めて小型ですが、花序全体ではその逆になります。

 ★コンニャク属はサトイモ科の植物です。サトイモ科の花といえば、普段よく見かけるものとしてアンスリウムを思い浮かべて下さい。アンスリウムは、団扇のような赤い仏炎苞と呼ばれる器官を観賞しているので、花は、白い棒のようなところに多数着いており、個々にはたいへんに小さいのです。スマトラ大コンニャクも同じように個々の花はたいへんに小さいのです。

 ★というわけで、単体の花としてはラフレシアが文句なしに世界一、生殖器官としての花序全体では、スマトラオオコンニャクがやはり文句なしの世界一ということになります。