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園芸豆知識・面白い形態編





大型の多年草のこと






@コダチダリア(ミャンマー)

Aコダチダリア(皇帝ダリア)(愛知)
 ★10数年前のことですが、ミャンマーを旅して、巨大なダリアにお目にかかり驚いたことがあります。写真@がそれなのですが、周辺の木や草が巨大なのであまり大きくは見えませんが、5mどころの高さではありません。

 ★このコダチダリア、数年前に「皇帝ダリア」の流通名で出回り始めたときには、まさかこれが商品になるとは思わなかったのでまた驚きました。そして今や人気商品になっています。花の少ない晩秋から初冬にかけて美しい淡紫色の花が咲くこととその巨大な姿に人気の理由があるようです。

 ★名前がコダチ(木立)ダリアと言いながら、このダリア、実は、多年草なのです。まさに巨大な多年草です。日本ではせいぜい3〜5m程度の高さですが(写真A)、熱帯では10m近くになります。「草」にしては巨大ですが、実は巨大な多年草は意外とたくさんあるのです。


Bバナナ:マレーシア
 ★まずは身近な多年草ではバショウがあります。俳人松尾芭蕉の名はこの植物に因んでいます。

Cバナナの茎のような部分(正しくは偽茎)の断面

Dバナナの偽茎を使ってアレンジする作業中(タイ)
中国原産の植物で、芭蕉の時代にかなり普及していたと考えれば、日本への導入はずいぶん古いのでしょう。でも、バショウの「茎のような部分」は3m前後ですから特に巨大というほどではありませんが、バショウの仲間のバナナは種類にもよりますがさらに巨大です(写真B)。

 ★バナナは「茎のような部分」だけで5m以上のものがあり、葉の長さも2m以上になりますから、合計すればずいぶんの草丈です。「茎のような部分」は、正しくは茎でなく、葉鞘が幾重にも重なり合っているものなので、「偽茎」といいます。わかりやすく云えばタマネギの食べる部分を長く引き延ばしたようなものなのです(写真C)。まさに「草」そのもので、バナナは間違いなく多年草です。偽茎を輪切りにしたものは、オアシスのような使い方で切り花のアレンジに使います(写真D)(豆知識「タイの花灯籠のこと」参照)。バナナは、果実が出来ると、その株は枯れてしまいます。バナナの本当の茎は地下にあって、横に這い、その先端から葉が出ているのです。


Eエンセテ(アビシニアンバナナ)
 ★バナナは果物なのか野菜なのかと聞けば、果物に決まっているではないかとの回答が帰ってきそうです。でも、正しくは果物は「木」に成る果実のことを云うのです。ですから、バナナは正確にはイチゴやトマト、スイカ、メロンなどと同じように「草」に成る果実ですから、「野菜」が正解と云うことになります。日本では、バナナは「果物」として定着している感があるので、「野菜」には抵抗感があるでしょう。しかし、熱帯では焼いたり煮たり、料理して食べるバナナがかなり多いのです(豆知識「バナナの雑学」参照)。ちなみに、パイナップルも「草」です。


Fタビビトノキ(オウギバショウ):タイ
 ★バナナは東南アジア原産ですが、アフリカにはエンセテ(アビシニアンバナナ)というバナナに似た姿の植物があります(写真E)。バナナと同じバショウ科の植物ですが、属は異なり、食用にはなりません。これは、バナナよりさらに巨大な多年草で、偽茎の長さが10mほどになるものがあります。このエンセテも最近は観葉植物として流通するようになっています。

 ★さらに、観葉植物で流通しているマダガスカル原産の「タビビトノキ(旅人の木)」(豆知識「タビビトノキ」参照)も巨大な多年草と云えるでしょう(写真F)。高さは10mほどにもなります。やはりバショウ科の植物で、名前が面白いだけでなく、バショウのような葉が一方方向に扇型に出るユニークな姿をしています。それで、オウギバショウ(扇芭蕉)の別名もあります。熱帯の国々では大型の庭園植物として広く植栽されていますが、これはゴクラクチョウカに近い植物です。

Gモウソウチク(京都)


★、園芸植物の中から選んで以上のような大型多年草を紹介しましたが、挙げていけばきりがないほど、大型の草はあるものです。

 ★竹が「草」なのか「木」なのか、多少は意見が分かれます。しかし、「木」は幹が経年的に太っていくのが普通ですが、竹は太りません。その他いくつかの理由で「草」と見るのが正しいようです。とすると、これにはやはり大型のものがたくさんあります(豆知識「世界一大きいタケ:象竹」参照)。日本にも孟宗竹など大きな竹がたくさんあります(写真G)。