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園芸豆知識・面白い形態編





ヘリコプターのような種子・・・風に舞う






Cフタバガキの高木:Dipterocarpus alatus(カンボジア)

@フタバガキ科の種子(果実):写真Dの樹林の下で拾ったもの(カンボジア)

Aフタバガキ科の種子(果実):インドネシアジャワ島の道端で拾ったもの

Bフタバガキ科の種子(果実):タイのガーデンセンターで写す
 ★はねつきの羽根を巨大にしたような種子があります。この羽根は果実の皮の一部が平らな翼状に発達したもので、いわば、果実(中に種子がある)に羽根が着いているわけです。この羽根の長さが片側だけで、長さ10cm以上もあるのです(写真@AB)。

 ★これは熱帯に分布するフタバガキ科の樹木の種子なのです。フタバガキ科と言っても多くの種類がありますが、この科の用材は総称して日本ではラワン材と呼んでいますから、多くの方はおなじみの植物になります。コンパネや多くのベニア板がラワン材で作られていますから、たいへんに身近なものなのです。ですから、ラワンの種子といった方がわかりやすいでしょうか。このラワンの種子、種類が多いので、国や地方によって分布する種類も異なるので、その大きさや羽の枚数や色などが異なります。

 ★フタバガキ科の植物は熱帯アジアを代表する樹木ですが、高さ50m〜80mにもなる巨大な高木で(写真C)、この翼の着いた種子(果実)は、高いところからクルクルと回転しながら落下して、風に流されて飛んでいきます。風の力などを利用して、遠くへ拡散させるため、あるいは、種子が地上に落下するときの衝撃を弱めるための植物の知恵なのでしょう。

 ★この翼のある種子(果実)のことをを翼果(ヨクカ、ヨッカ)と呼びます。この落下する様はヘリコプターが飛んでいるようなので、ときに、「ヘリコプター種子」の愛称で園芸店などで販売されることがあります。


Dカエデの種子
 ★熱帯アジアの森林地帯などでは、この種子が道路などにも落ちていることがあります(写真@A)。カンボジアのアンコール遺跡内では伐採をしていないせいか大量にこの種子が落ちています。一方で熱帯といえども都市生活者にはお目にかかる機会が少ないのか、ガーデンセンターなどで販売している場合もあります(写真B)。インテリアなどに使うのでしょうか。

 ★ラワン材にするフタバガキ科の植物は、熱帯ジャングルを構成する重要な樹木なのですが、熱帯といえども巨木になるには年数がかかり、乱伐の故に現在はかなり少なくなっています。日本向けの大量の材木の輸出が環境破壊をしているように思えます。現在では輸出を禁じている国もあります。

 ★この翼果は私どもの身近にもたくさん見かけることができます。代表的なのはカエデ類の種子です(写真D)。フタバガキ科植物に比べるとたいへんに小型ですが、同じようにクルクルと回りながら落下します。

Fタンポポ

Eアオギリの果実(種子と心皮)


 ★翼果ではありませんが、風で飛ぶ種子はたくさんあります。風を受けて回転しながら落下するものとしてはアオギリが有名です(写真E)。舟形の葉のようなもの(正しくは心皮と云います)に種子が3〜5個着いています。そして、舟底を回転の中心にして、水平に回りながらゆっくり落ちていきます。

 ★風で飛ぶ種子はその他タンポポ(写真F)のように綿毛が生えてこれが風で飛ばされるものなど、いろいろ多彩ですが、ここでは、ヘリコプターが主題なので省略します。

 ★蛇足ですが、ヘリコプターのニックネームがあるなら飛行機は?ということになります。これは豆知識「飛行機を連想させる植物」を見てください。