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園芸豆知識・面白い名前編





タビビトノキ(旅人の木)
図 鑑






@並木状に植えられたタビビトノキ(マレーシア:クアラルンプール)



A見事に株立ちした水辺のタビビトノキ(ラオス;ビエンチャン)
 ★何故、「旅人の木」という名前なのだろうか。
 
 ★タビビトノキはマダガスカル原産のゴクラクチョウカ科(バショウ科)の植物ですが、かなり大形で、シュロのような幹をのばし、バナナのような葉を平面の1方向に交互に出して、扇形に葉を展開するたいへんに美しい樹形をしています。ですから、熱帯の各地で、広い庭園や街路樹などにかなり栽植されています(写真@)。タイのバンコクでは街路樹にも使われています。

B整然とした姿で開花し始めている。(タイ:チェンマイ)

Cタビビトノキの花
写真Aはラオスのビエンチャンの街角で写しましたが、株立ちした豪壮な姿に思わず見とれてしまいました。高さは10m近くあったでしょうか。しかも、池の水辺に育っているので、水に映る姿も印象的でした。タビビトノキは乾燥地から水辺まで適応性が広い植物なのです。

 ★「旅人の木」という不思議な名前のいわれは何でしょうか。英名がtraveller's treeですから、タビビトノキは単なる翻訳でつけられた和名です。別名はオオギバショウで、これは扇形の芭蕉ということですから、姿から見ればふさわしい命名のように思えます。Ravenala madagascariensis

 ★さて、その「traveller's tree」のいわれですが、この高木はかなり目立ち、葉が2並列して東西方向に広がるので、旅人に対して羅針木の役割を果たしたから付けられた名前だとの説があります。たしかに、葉の展開方向はほぼ一定しているように感じますが、原生地では必ずしもそうではないとの異論があり、羅針盤の役割説は疑問があるようです。むしろ、この木が目立つので、「あの木の方向に行きなさい」といった目印に使いやすかったからというのなら理解できなくもありません。「あのタバコ屋のところを左折して・・・」といった使い方ですね。でもそのような説明の記載は見たことがありません。


D鉢植えのタビビトノキ
 ★一方、タビビトノキは長い葉柄があり、葉鞘部に水が溜まっていることが多いので、旅人がこの水で喉を潤すことが出来たからだとの説があります。どうも、この説の方に軍配が上がりそうですが、しかし、あまり衛生的な水ではなさそうですから、これも定かとは言えません。でもこれを信じるのが良さそうです。

 ★タビビトノキは観葉植物としても流通しています。写真Dがその姿です。これは幼樹ですから、扇型にはなっていませんが、大きくなれば茶色の幹が現れ、扇形の葉形になります。

 ★ちなみに、タビビトノキの花はゴクラクチョウカ科に分類されるだけあって、花の形態はゴクラクチョウカとそっくりです。ただし、ゴクラクチョウカのような華やかな色彩ではありません(写真C)。

 注記:以前はバショウ科に分類されていました。和名はオウギバショウといいます)。