カエンボク


@樹高20mを超す巨木の開花風景(インドネシア)

A(石垣島)

B(ミャンマー)

C(ミャンマー)
学名Spathodea campanulas
和名カエンボク(火炎木)
別名 アフリカンチューリップツリー、アフリカユリノキ
英名African tulip tree, flame-of-the-forest, tulip tree,fountain tree
科名ノウゼンカズラ科
属名カエンボク属
性状常緑高木
原産地西アフリカ
 橙赤色のつり鐘型の花は、いかにも派手で、熱帯的な雰囲気がいっぱいだ。20mにはなる高木なので、上の方で広がる大きな樹冠を覆うように咲く姿はひときわ目立ち、周りの樹木を圧倒する。「火炎木」の名がぴったりだ。カエンボクはこの美しさ故に、西アフリカの原産ではあるが、世界中の熱帯で庭園木や街路樹として植栽されている。

 ところで、カエンボク、ジャカランダ、ホウオウボクの3種を「世界三大花木」だとする説がある。誰が決めたものかその根拠は知らないが、カエンボクはそれほどの位置づけをしても違和感はない。三大花木なら、日本人ならサクラが入っても良さそうに思うが、これは当然、熱帯植物だけで選んだものである。ちなみに、サクラは熱帯では寒さがないので、花が咲かないか、咲いてもちらほらの程度なので、日本で見るように美しい花にはならない。熱帯の国々でも桜の名所を作りたいと挑戦した国もいくつかあるが、うまく花が咲いた例を知らない。「染井吉野」ではまず無理で、私は相談を受けても植えない方がよいと答えている。もし植えるなら、沖縄の桜、カンヒザクラ(寒緋桜、Cerasus cerasoides)が使えるかどうかであろうか。

 カエンボクは、日本では植物園の温室内か沖縄県、小笠原諸島しか見ることができない。温室内では花がたくさん咲く状態にまでは生育することはない。また、この木は強風に弱く、台風の来る地域では、枝が折れて、熱帯地域で見るほどの巨木にはならないので、沖縄県ではカエンジュのすばらしさを味あうほどの巨木にはならない。私の経験では、台風のない赤道に近い地域ほどこの木のすばらしさが発揮されているように思う。たとえば、インドネシアのジャワ島ではしばしば巨木を見る。

 カエンボクはノウゼンカズラ科カエンボク属の植物であるが、この科の花はつり鐘形の合弁花で、本種はやや上向きに咲くため、チューリップを大きくした花のように見える。この故に、英名はAfrican tulip tree、これをそのまま読んで、アフリカンチューリップツリーと呼ぶことが多い。ちなみに、単にチューリップツリーといえばモクレン科のユリノキを指すのが普通で、これは、日本でも庭園樹としてかなり利用されており、東京国立博物館の前庭にある巨木が有名である。

 なお、カエンボクは丈夫な植物なので、熱帯では野生化しているものもあり、侵略的外来植物として、生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されている。沖縄や小笠原で野生化したとは聞いていないが、将来問題になる可能性があるかもしれない。

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