カジノキ

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@カジノキ(インドネシア)

Aカジノキ(台湾)

Bカジノキの果実(台湾)

学名Broussonetia papyrifera
和名カジノキ
別名
英名paper mulberry tapa cloth tree
科名クワ科
属名コウゾ属
性状落葉高木
原産地インドシナ半島〜中国南部
 カジノキは和紙の原料作物である。カジノキの原産地はメコン川流域で、とくに流域面積が大きいラオスやタイなどの農村地帯では広く自生している。そして、古い時代に、カジノキは和紙(正しくは東洋紙)の原料作物として、アジア各地に移植されたので、日本も含めて、インドからマレーシア、インドネシアなど広い地域で帰化植物となっている。

 カジノキはクワ科カジノキ属の高木で、樹高は10mほどになる。しかし、アジアの熱帯で野生化している状態を見ると、高さ数mほどで群落を形成するかのような状態で茂り、こんもりした樹形になっているものが多い。製紙原料として枝を採取している株は、当然丈の低い状態である。葉は普通は3裂、ときに5裂あるいは裂けないものもあり、葉の形はかなりさまざまである。

 日本では、コウゾは和紙原料としてその名前が広く知られているが、和紙の業界では、カジノキ、コウゾ、ヒメコウゾのコウゾ属の3種を一括して総称的にコウゾと称しているようである。そして、驚くことに、日本の和紙の8割は主にラオス、一部タイなどから原料を輸入しているという。当然、ほとんどカジノキである。

 コウゾ属3種を区別しない傾向はたいへん古い時代からあったようだ。江戸時代に日本に来たシーボルトもこの3種を混同したまま学名を付けヨーロッパに報告している。だから、ヒメコウゾの学名はBroussonetia kazinoki で、種小名がカジノキとしている。また、カジノキの学名は Broussonetia papyrifera で、種小名がパピルス(紙)になっている。江戸時代の日本の学者が間違えて教えたに違いない。

 この流れが、現在も続いているのかもしれない。あるいは、実用上は分ける必要がないのであろう。いずれにしても、日本の和紙原料の主流はコウゾではなく、カジノキであることは間違いなさそうである。

 そもそも、コウゾはヒメコウゾとカジノキの雑種なのである。そして、ヒメコウゾは日本に自生するが、カジノキは帰化植物である。

 なお、メコン川沿いの街であるラオスの旧都ルアンプラパンの付近は、現在も農村工業として東洋紙の生産が盛んで、日常生活の中に東洋紙が普通に生きている。和紙の源流を見る思いを強く感じる地域である。

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